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表現者の数だけ物語がある~摩周湖編

      2019/11/03

もし僕があなたの撮影ガイドだったとしたら、今朝は一生記憶に残るような景色をお見せできたと思う

こんにちは。

幸せカメラのKENです。

今回は悪天候の中、晩秋の摩周湖へ日の出を拝みに向かいました。

そこで出会った数々の光景は僕の想像を超える美しさだったのですが、経験と勘を頼りに次々と撮影ポイントを変えながら幸運を頼りに目の前の奇跡を写真に収めました。

一通り撮影を終えて感じたのが、

「今朝は絶景ポイントを案内してあげたかったな」

といった言葉が浮かんできたのです。

「表現者」として作品を生み出すカメラマンや、趣味で撮影を楽しむ人にこの朝のフルコースを案内できたら、きっと感動の体験になったはずです。

もちろん人それぞれ表現の仕方は違うし写真に対する向き合い方も自由ですが、「撮影ポイント」に関しては知っているのと知らないのとではチャンスの幅が変わってきます。

僕自身もまだまだ知らないこともたくさんありますが、例えば本州から初めて摩周湖にやってきた撮影者のことを考えると、

「今朝は案内してあげたかったな」

と素直に思ったわけです。

今回はそんな大自然が創り出す奇跡の光景をお届けします。

(悪天候下での撮影を勧める内容ではありません)

 

雷雲の釧路湿原

天気予報は荒れた天候が回復に向かっていることを教えてくれました。

この夜は時折降る雨と強い風、そして街を移動していると感じる稲妻の光。

深夜に僕は、釧路湿原の高台から街を眺めていました。

「雷が撮れるのではないか?」

と考えたからです。

実際は雲が厚かったのと街の明かりが強すぎて、繊細な雷光を見ることはできませんでした。

さらにこのあとは「摩周湖で朝日を拝む」と決めていました。

「荒れた天気が回復した朝」は美しい景色が見られると思ったからです。

 

霧の摩周湖

(この作品は過去の写真です)

 

これまでも数え切れないほど「霧や雲」の中を運転してきましたが、この夜に摩周湖周辺を包んでいた霧の濃度は身の危険を感じさせるレベルでした。

視界は多分5mくらいだったと思います。

ガードレールに取り付けてある反射板すら見えないほどの白い世界。

車のライトも「遠目」ではなく「近目」にしなければ霧で乱反射して何も見えないのです。

僕は摩周湖第三展望台を目指していたのですが、何度も通っている駐車場の位置すらよくわかりませんでした。

それでもかろうじて車道の左側が広くなっていることがわかったので、恐る恐る車を寄せます。

この駐車場は普段、道路の方向に対して直角に車を停めるようになっていますが、今回は衝突の恐れがあったので道路と平行に停めました。
(通行する車からライトやテールランプが見えるようにするためです)

そして車から降りてみると、やはりこれまで味わったことのない感覚に包まれました。

「何も見えない」

本当に何も見えないのです。

目を開けているのに光も形も何も見えない。

霧すらも見えません。

真っ暗なんです。

脳が混乱しました。

時刻は午前4時前だったと思いますが、少し歩くと自分の車の位置もわからないほどでした。

手に持っていたLEDライトで辺りを照らしてみると、その霧の濃さを改めて確認できます。

これほどまでに濃い霧は珍しいと思いながら、それでも粒子が細かいのでまるで「煙」のようにも感じました。

風もかなり強く吹いています。

そう言えばここまで車のフロントガラスはあまり濡れていた記憶がありません。

さすがにこれでは歩くことも難しいので撮影は不可能です。

とりあえず場所を移動するのも危険なので車の中で待機しました。
(美幌峠へ移動か?という選択肢も浮かびました)

少しすると恐らくカメラマンであろう一台の車がやってきて、僕の後ろに車を停めました。

「この霧の中よく来たもんだ、凄いな」

と、自分を棚に上げて感心していました。

追記

この時の模様がドライブレコーダーに残っていたので、動画にしてみました。

深い霧の摩周湖へ向かう実際の状況をご覧ください。

動画:視界ゼロ?深夜に向かった「深い霧の摩周湖」ドラレコ

これまで少しずつ動画をアップしていたyoutubeですが、今後は「幸せカメラチャンネル」としてやっていきますので、チャンネル登録よろしくお願いします。

 

いつの間にか青くなってきた世界

「そのうち夜が明けたらなんとかなるでしょ」

楽観主義者の僕はそんな感じで車内でリラックスしていると、なんだか外が青くなってきたように感じました。

車から降りてみると霧が薄っすらと青くなっていたのです。

「夜明けだ」

そう判断して撮影の準備をしながら様子をうかがっていると、突然西の方角の視界が開けたのです。

それはまるで「青い壁」にポッカリと穴が空いたような感覚でした。

その方角には硫黄山や屈斜路湖、そして川湯などが見えます。

強風で流れた雲の切れ間を狙ってすぐに撮影を開始しました。

風は結構強かったのですが、機材が霧で濡れるような感覚もなく、それほど寒くはありませんでした。
(気温は8度くらい)

あとから来たカメラマンもいそいそと撮影を開始します。

そのまま時間が経ち駐車場から見て西の方角は雲の切れ間が確認できるのですが、摩周湖の方は完全に何も見えません。

そのまま屈斜路湖方面の撮影を楽しみます。

すべてが青く見える現象と流れる雲のおかげで幻想的な作品を何枚も撮ることができました。

そのうち摩周湖側もなんとなく明るくなってきたような気がして、何度か小走りで階段を登ってチェックしていたのですが、勘に頼って霧の中の展望台まで行くことにしました。

 

すぐに始まった絶景ショー

目もだいぶ慣れてきて、霧が晴れたタイミングで撮影を試みます。

よく見ると南の方角は晴れているようでした。

薄っすらと朝焼けの色が見えたのです。

そして展望台まで行くと言葉を失いました。

何か巨大な生き物が動いているような世界がそこにはあったのです。

湖に溜まった雲は、摩周湖を囲む稜線に阻まれてその形を刻々と変えていました。

ときおり撮影している自分も雲に飲み込まれるのですが、風が強いので少し経つとまた視界が開けます。

前回の「強風の美幌峠」に比べると、まったく質の違うドラマが繰り広げられていたのです。

この頃になると屈斜路湖方面を撮影していたカメラマンも展望台にやってきて、目の前の光景を撮り始めました。

僕たちは朝焼けと雲の変化を期待しながらその時を待ちます。

以前、摩周湖には「龍神様がいる」という話を聞いたことがありますが、こうして雲の動きを見ていると「まさに龍だな」と思えます。

実際に龍の姿を見たことはありませんが。

 

朝焼けは南側にあった

日の出の方角に注目していると見落としがちですが、朝焼けが始まると太陽とは反対側の空も綺麗に色付きます。

夜と朝のグラデーションがとても綺麗なんです。

今回は東側の視界が悪かったのですが、後ろを振り返ると空は晴れていることがわかりました。

「期待できる」

そう信じて静かに太陽を待ちます。

 

薄くなってきた雲

そのうち湖を流れる雲の密度が薄くなってきたことに気が付きました。

さらに雲の隙間から湖の奥も見えるようになってきました。

上の写真でいうと太陽はもっと右の方角から登るのですが、そちらはよく見えていなかったのです。

 

カムイヌプリとカムイシュ島現る

そのまま第三展望台で待っていたのですが、どうも朝焼けの気配を感じません。

そしていつの間にか正面に摩周岳と小島が現れていました。

ここにきて一気に湖の雲に変化が現れたのです。

ですが朝日を拝むと考えるとちょっとこの場所は違うような気がしました。

 

こうして急斜面を漂う霧を撮るのも楽しいのですが、やはり朝日が出た瞬間を美しく撮りたいものです。

「うーん、ここではないな」

そう判断した僕は、展望台でひたすら撮影を続けるカメラマンに別れを告げ「第一展望台」に向かうことにしました。
(邪魔しないように心の中で)

なぜかというと、第一展望台の方に流れている雲が印象的だったからです。

第三展望台からこの光景を見るのもいいのですが、近くに行って朝日と絡めたらきっと美しいに違いないと想像しました。

もちろん行ってみたら雲の中だったというリスクはありますが。

そしてすぐに行動に移ります。

移動する途中、さっきまで青い世界だった屈斜路湖方面の視界がクリアになりつつありました。

地表を這うように漂う霧が美しく、つい撮影してしまいます。

ですが日の出まであと少しだったので、ここはスムーズに移動しなければなりません。

そんな僕を引き止めるかのように、今度は阿寒方面に美しい光景が現れました。

「むむ・・・撮りたい」

誘惑に負けた僕はそこでも何枚か撮影します。

そして後ろ髪を引かれながらも、なんとか第一展望台に向かうことができたのです。

僕のようなカメラマンはいつもこうした葛藤と戦っています。

 

間に合った摩周の日の出ショー

第一展望台には、日の出の直前に到着しました。

すでに2名のカメラマンがスタンバイしており、軽く挨拶して撮影を開始。

風は強いものの寒さはそれほど感じなく、目の前の景色を楽しむことができました。

南から流れてくる雲が朝日に美しく輝きます。

肉眼で見ていると、その変化がよくわかるのですが雲が「虹色」に見えるんですね。

この時、カメラのレリーズを操作しながら、右手でスマホ動画を撮影しました。

インスタグラムに投稿したその時の動画をご覧ください。

 

一眼レフでも動画は撮ったのですが、スマホもかなり写りますね。

ホワイトバランスもそれほど悪くありません。

雲の流れは時間とともに変化し、次第に薄くなってきました。

現像で黄色みがかった色温度を変えてみると、光が当たった雲が虹色に輝いているのがハッキリとわかります。
(下の写真)

これが真冬だとダイヤモンドダストが見れたりするのですが、この場所はあまりにも寒いので注意が必要です。

過去にも何度か心が折れそうになったことがあります(凍

レンズを変えて広角で撮ってみると、薄い雲が全体的にかかっているのがわかります。

この現象が激しい時は「滝雲」と呼ばれるようですが、そう言えば僕はまだ滝雲を撮ったことがありません。

真冬に湖の西側に流れ込んでいる雲を撮ったことはありますが、あれは「滝」と呼ぶにはちょっと小規模でした。

厳冬期に第一展望台から撮影した摩周湖

 

将来の楽しみは続きます。

そして太陽が高くなるにつれて、雲が消えていきました。

不思議で繊細な自然の芸術ですね。

このあとは南の方角に注目してみます。

 

荒れた朝はまだまだ楽しめる

「荒れた」という表現は大げさですが、こうして深い霧や強風で天候が変化する朝は、まだまだ楽しみがあるんです。

それは地表を漂う雲や霧を探すことです。

幸い摩周湖の展望台は標高が高いので、そういった景色はすぐに見つけることができます。

この時期は紅葉の色彩と相まって、目の前の世界はまるで芸術作品のようでした。

 

さらに移動しながら「南東」の平野も楽しみます。

秋ならではの色と空気が撮影者を感動させてくれます。

このあと摩周湖の辺りはスッキリと晴れ渡っていくのですが、その前に僕はあの雲の中に突っ込んでいきます。

そう「白い虹や光芒」を見るためにです。

土地勘があるので実際に美しい現象に出会うことができたのですが、その模様は次回お届けします。

その後に撮影した霧と紅葉の防風林

 

冒頭で書いた「絶景フルコースの案内」に興味がある方は、お気軽にメッセージを下さい。

このブログからだと「お問い合わせ」でもいいですし、コメントに書いてもらってもお返事いたします。

SNSを通じてコンタクトも取れますので、なにか感じることがあれば教えて下さい。

僕は撮影ガイドをやった経験はありませんが、需要があればチャレンジしたいと考えております。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回記事にもご期待下さい。

 

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