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秋の「オンネトー」で体験!不思議な朝の話

      2019/10/26

こんにちは。

今回は「秋のオンネトー」で体験した「不思議な朝」のお話です。

晩秋を迎える美しいオンネトーの写真(こちらがメイン)と、その不思議な物語をご覧ください。

 

月夜のオンネトー

秋のオンネトーの紅葉が美しいことは多くの方に知られていますが、僕自身今シーズンはまだ一度も訪れていませんでした。

そこで月夜の晩に湖に向かい、そこで朝を待つというプランを実行しました。

 

湖に到着するとまず驚いたのが、目の前にそびえる「雌阿寒岳」に夜間登山している明かりでした。

LEDのヘッドライトでしょうか、かなり明るい光がチラチラと動いているのがハッキリとわかります。

時刻は午前3時40分。

すでに7合目付近にいると思われたので、「日の出」を拝むための登山かもしれません。

自分の中の登山魂を刺激されました。

さて、その登山者のライトの明かりが湖に反射する中、僕は月明かりで撮影を開始しました。

昼間の太陽光とは違い、月の明かりはとても優しく繊細です。

ちょうと半月のようなお月さまは、オンネトーの「黄葉」を浮かび上がらせました。

肉眼ではそれほどハッキリとは見えませんが、高感度のカメラで撮影するたびその美しさに驚かされます。

風は吹いたり止んだりと気まぐれでしたが、気温は氷点下にはならなかったようで助かりました。

まだ身体がそこまで慣れていませんからね。

月明かりでもオンネトーの「青さ」は見えるのですね。

登山者の明かりが気になりつつも、次のポイントを目指して移動しました。

 

朝日を待つポイントを決める

オンネトー周辺にはいくつかの撮影ポイントがありますが、その中でも湖のほとりで撮影できるこの場所が気に入っています。

岸には印象的な倒木が横たわり、近くの駐車場は狭いので混雑することもありません。

夜明け前のこの時点では、自分を含めて3台の車がそれぞれの場所で朝を待っていました。

そして少しずつ東の空が白んできました。

この時で4時44分。

月明かりもあったので、上の写真はほぼ「肉眼」に近いと思います。

そして持っていたLEDで近くを少しだけ照らしてみると…

このような感じになります。

山や景色も明るく現像してみると、不思議な印象になりました。

そのまま静かに待っていると空の色が少しずつ変化していきます。

カメラの露出設定によっては、見ている色と撮影した色が違ってくるのですが、それも一つの楽しみになります。

それにしてもオンネトーは本当に静かな場所です。

時折聞こえる牡鹿の鳴き声や湧き水の音以外、ほとんどが静寂に包まれています。

この場所で細かく露出時間を変えながら、湖の表情なども楽しみました。

そしてこれまでいた場所から、ややぬかるんだポイントに移動しました。

 

桜色の朝

秋なのに「さくら色」。

夜明け直前、なんとも不思議で淡い光が湖を包みました。

この朝の気象条件から考えると、真っ赤な朝焼けを期待していたのですが。

実はここへくる道中、至るところで霧が発生しており、場所によっては「雲海」を楽しめそうな状況だったのです。

ですが、オンネトーで撮影するというインスピレーションが降りていたので、他の選択肢はパスしました。

身体は一つしかないですからね。

構図を変えてみると、紅葉が桜のようにも見えました。

秋なのだから「ピンクの紅葉」という捉え方で良いはずですが、僕にはサクラがイメージとして浮かんだのです。

そして辺りは少しずつにぎやかになり始めました。

 

不思議な出来事

さてここからが今回の記事の核心になります。

「不思議な朝の話」という題名にしたのは、この場所で起こりました。

少しずつ日が昇り、静かなオンネトーに小鳥たちのさえずりが聞こえるようになってきました。

するととても小さな鳥が僕のいる場所にやってきたのです。

コガラかハシブトガラか、黒い小さな帽子を被ったような愛らしい小鳥たちが数羽現れて、僕の近くで餌を探し始めました。

(画像は以前の作品です)

 

それにしても随分近くまで来るもんだと、少々驚きも感じました。

以前の僕ならすぐに野鳥撮影に移る所ですが、あいにく超広角レンズを付けたカメラが一台あるだけなので、ただ静かに彼らの動きを見つめていました。

少しすると次は「ゴジュウカラ」が数羽同じ場所にやってきました。

コガラよりは少し大きく、木を逆さまに歩くのが特徴でもあります。

このゴジュウカラが僕に不思議な体験をさせてくれたのです。

まずは少しずつ近づいてきて、

「おぉ!3mくらいまで来た、珍しい~」

と思っていたら、

「うぉぉ…2mまで来た」

そして、

「えっ?1m・・・ウソ、50cm!?」

と、どんどん僕の側に近づいてきたのです。

 

これまで野鳥は、最短で3mくらいで観察した経験はありました。

でもそれは一瞬のことで、「ニンゲン」を観察した彼らはすぐに飛び去ってしまいます。

でもこの朝は違っていて、どんどんこちらに近づいてくるのです。

まるで僕がそこにいないかのように。

そして僕の足元でも餌を探しながら、そのまま通り過ぎていきました。

そのまましばらくは僕の近くで活動していたので、余韻を楽しみました。

 

カサッと動いた落ち葉

次に驚いたのは、これまた小動物の行動です。

僕は大量の落ち葉がある場所に立っていたのですが、一歩動いただけで「カサッ」と音が鳴ります。

 

この時は小鳥が近づいてきたのでじっとその場所に立っていました。

すると後ろの方で落ち葉が動く音が聞こえたのです。

「ん?そっちにも小鳥?」

そう思って振り返ると、そこにはとても小さな「野ネズミ」がいました。

 

つい最近も別の場所で野ネズミを見たのですが、その距離は約10mくらいで、それ以上は近寄れない印象でした。

彼らの動きを見ていると、その警戒心はとても高いと感じます。

捕食される側の立場になることが多いですからね、野ネズミは。

 

ところが僕の後ろに現れた野ネズミは、まるでそこに「ニンゲン」がいないかのように、餌を探し回っているのです。

そして今度は右側からも別の野ネズミが現れました。

体長は6センチくらいでしょうか。

素早く動くのですが、同じような場所を行ったり来たりしながら、少しずつ僕に近づいてきます。

実はその間も風景撮影のため、カメラのシャッターは定期的に操作していたのですが、その音には動じないようでした。

「野ネズミがこんなに近くに来るなんて珍しい」

初体験の出来事にやや興奮しながら、それでも呼吸を整えて彼らを驚かさないように立っていました。

僕は自然の中に溶け込んでいたのでしょうか?

その朝は、やや目立つ色の防寒服を着ていたのですが、そんなことはお構いなしに小鳥と野ネズミは活動しています。

「彼らを撮りたい」

以前の僕なら2台以上のカメラで、風景と野生動物を同時に撮れるように準備していました。

多い時は3台も。

でも今は1台しかありません。

素早く動く小さな彼らを、三脚にセッティングした超広角ズームレンズで撮影することもできません。

そんな僕の諦めを知っていたのかどうかはわかりませんが、彼らは警戒することなく自然な姿を見せてくれました。

しばらくすると彼らも場所を移動したので、僕も気を遣うことなく撮影を続けました。

 

モミジの向こうの紅葉

次は90mmの単焦点レンズに取り替えて、徒歩で移動しながらの撮影です。

印象的な構図を探しながらオンネトーの周辺を散策します。

すると今度はこれもオンネトーではお初なんですが、「エゾリスさん」が僕の前に姿を現しました。

風景撮影にセッティングした90mmの単焦点ではちょっと撮れなかったのですが、オンネトーにもいるという噂のエゾリスに出会えて喜びが込み上げます。

そして近寄ろうとしたのですが、なぜかそのタイミングで車が数台走ってきて、エゾリスは斜面の奥に消えてしまいました。

いつかまた出会えたらと思います。

その後はキャンプ場の方に移動して撮影しました。

 

オンネトーの北側を照らす朝日

オンネトーに訪れる方の多くは、湖の北側の展望地からその景色を楽しんでいます。

目の前に雌阿寒岳がある構図ですね。

ですが、反対側にあるキャンプ場の方からも美しい紅葉が見られるんです。

この朝も、まだ陽が当たっていない紅葉とそれを映し出す水面を楽しみました。

そして少しずつ陽が射し込みます。

朝の黄色みがかった光で、北側の山が美しく輝きます。

そして…

右側の一部分を残し、辺りを明るく照らします。

誰もが訪れるオンネトーのメジャーな展望台は、ちょうど上の写真の右側辺りにあります。

その後はまだ陽が当たっていない場所に移動しました。

 

青い湖に映る紅葉

キャンプ場の方から湖にアクセスすると、目の前に美しい「オンネトーブルー」が現れます。

対岸には美しい紅葉が見られるのですが、その色が穏やかな湖に反射して息を呑む光景です。

この場所もやがて陽が当たり始めます。

上の写真は陽が当たる前の状況です。

コントラストを抑えて現像しています。

そして陽が当たると、その紅葉は色飽和するほどに輝きました。

色飽和とは「白飛び」みたいな現象で、グラデーションの質感がなくなってしまうことを言います。

色飽和しそうな時は、露出補正で少し下げるか、NDフィルターなども効果的です。

上の写真の左上の黄色は、完全に色飽和してしまいました。

現像で少し露出を下げて落ち着かせています。

このように映り込みや対岸の紅葉を楽しんだら、次はその対岸に行ってみます。

このキャンプ場からは、ここに来る道中にあった「野中温泉」まで、徒歩で行ける散策路があるのです。

前半は湖の周辺を歩けるのですが、途中からは軽登山のような道のりになります。

たしか1時間ほど歩けば「野中温泉」に出るはずです。

そしてこの朝は、対岸の紅葉の中で撮影してみました。

 

ダブルダイヤモンド紅葉

この場所でこの構図、たぶん初めてです。

木陰で太陽の光を和らげて撮る手法はよく取り入れるのですが、このように水面に反射して「2つの光」が入るのは珍しいです。

赤から黄色、そして緑や湖の青など、色彩豊かな美しいポイントでした。

レンズの性質上、フレアが発生していますが、ふわっとした雰囲気も悪くはありません。

この場所でいくつかの構図を楽しんでオンネトーを後にしました。

 

滝見橋の紅葉は?

阿寒湖畔と言えばこの「滝見橋」から見る紅葉が有名です。

阿寒湖から流れ出た川が美しい景観を作っています。

肝心の紅葉はと言うと、鮮やかな時期はすでに過ぎてしまったようで、茶色みがかった葉が多かったように思います。

以前にも何度かここで撮影しているので、その作品もお見せします。

 

滝見橋の作品

望遠レンズとスローシャッターで切り取っています。

水流が速いので、シャッター速度を少し遅くしただけで水の質感が表現できます。

ただ、橋の上は車が通ると揺れるので、撮影のタイミングも大事になります。

この日、10月21日は近くの渓谷も見に行ってきたのですが、紅葉は真っ盛りといった状況でした。

紅葉は晴れた昼間の太陽だと明るく写りすぎるので、僕は朝か夕暮れ時に撮影することが多いです。

あとは雨が降った後に行ったり、霧が出そうなタイミングで撮ったりと。

色々と自分好みの表情を探すのが面白いですね。

 

今回は「不思議な朝」ということでこの時期の紅葉の写真とともにお伝えしました。

野生の小鳥や野ネズミが、まるでそこに「ニンゲン」がいないかのようにすぐ近くで振る舞う姿を見たのは初めてだったかもしれません。

もしかするとその時僕の存在は消えていたのかも?

そんなことを考えながら楽しんだ秋の朝でした。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

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