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雲生まれる強風の美幌峠で朝まで撮影

      2019/10/27

こんにちは。

幸せカメラのKENです。

今回も「自分がこれまで見たことのない美しい景色」を求めて、深夜に美幌峠に向かいました。

目的は夜明け前の星空や朝焼け、そして雲海を期待しました。

ところが到着してみると予想以上の強風と濃い霧で、車から降りた瞬間に

ちょっと様子を見ようか?

と、僕の中にある「安全センサー」が働きました。

今回はそんな葛藤もあった過酷な撮影の模様をお届けします。

お伝えしたいテーマは、

自分のやりたいことをやれるか?

についてです。

それでは参りましょう。

※悪天候での撮影を勧めているわけではありません、念の為。

 

秋深まる東北海道

日に日に秋が深まる東北海道ですが、釧路湿原の紅葉もピークに差し掛かり、鮮やかと言うよりは「茶枯れ」のような景観が広がっています。

それでも美しい紅や優しい黄色を見つけて「紅葉狩り」を楽しむことができます。

そしてこの時期と言えば、

「氷点下の気温」の到来です。

冷え込む地域ではすでに氷点下の朝を体験していますが、僕の中では

「寒さが作る芸術は美しい」という価値観があります。

特に真冬の氷点下25度を下回った時に見られる様々な現象であったり、前日との寒暖差で発生する朝の霧や雲海などを追いかけるのが好きです。

そういった意味でもこの時期は、寒暖差による絶景が期待できます。

そして今回は天気予報を見ながら「美幌峠で朝を迎えよう」と計画したのです。

当日は暗めではありますが「お月さま」も出ている夜でした。

 

僕の脳が撮影に反対してきた

普段なら目的地に向かう道中で気象条件のコンデイションがわかるので、大体は撮影時のイメージができます。

ところがこの日は予想を覆されました。

それまでの道中はほとんどの地点で風は弱く、空には星が出ていたのですが、峠に近づくとそこだけ「雲と霧」に覆われていたのです。

さらに風がとても強いことがわかりました。

外の気温は「約0度」でした。

凍りついていてもおかしくない路面を進みながら、霧に覆われた美幌峠の駐車場に車を停めます。

停まっている車もほんのわずかで、活動しているような人の気配はしません。

もちろん僕は幻想的な光景が好きなので、霧が出ていることは何ら問題ないといつも考えています。

そして撮影の準備のため意気揚々と車の外に出た途端、

寒い…そして視界が悪すぎる。車の中でちょっと様子を見ようか?

という思考が頭の中に現れました。

ここまで約2時間、美幌峠で撮影するために向かってきたのに、撮影を始める前に自分の中からそのような思考が湧いてきたことに気付きちょっと驚きました。

というかその思考が湧いた瞬間に「思考に気づいた」のです。

そう、自分の脳が「反対している」ということに。

 

自分の本能というか潜在意識さんは常に「安心安全」を優先しています。

脳は変化を嫌い、肉体や心を守ろうとするのがその役割です。

それは無意識的に行われています。

例えば休まずに心臓や肺を動かしたり、驚いた時は心拍数を上げたりと、自分の身体を維持し守るためにいつも働いていると考えられます。

でも人間には「意識・意思」があるので、安心安全領域から一歩踏み出して目標にチャレンジしたり、さらには限界に向かって進むこともできます。

 

今日は峠に着いたらやる気満々で撮影するはずだったのに、まさか「撮影中止」という選択肢が自分の中から湧いたことに驚きました。

そして自分の意思も「うーん、どうしようかな?」と一瞬迷ったのです。

でもこういった本能との付き合い方は、これまでの人生経験でだいぶわかってきました。

こんな時に自分のやりたいことをやるためには、

  • 決断
  • 行動

するしかないのです。

自分の中で話し合おうとするとだいだい負けます。

というか、話し合うこと自体が難しいです。

どちらも自分の頭の中に湧く思考であり言語ですからね。

なので僕はそいうったイメージやインスピレーションが「湧いた瞬間」に注目しています。

いわゆる「ヒラメキ」に気づくといった感覚です。

ただそのヒラメキ自体が「守りなのか?」「チャレンジングなのか?」と判断しています。

 

その日の計画とは逆のことを考え始めたり、やろうと思っていたのにやらなかったりすると、

本能・潜在意識が働いている」と気づくようにしているのです。

そして気づいてあげると結構大人しくなるんですね、本能さんは。

なので今回もそういった声は聞こえてきたのですが、すぐに着替えて「回避不可能」な状態を作りました。

行動あるのみです。

 

視界2mの中を進む

美幌峠はよく整備されており、暗くても比較的安全に歩くことができます。

ただ、この時期に霧や強風が吹いている場合は、地面が凍結している可能性もあるので要注意です。

峠の一番高い場所にある展望台までは上り坂を少し歩くことになるので、慎重に向かいました。

ヘッドライトの明かりが深い霧に反応して、視界は約2mほどでした。

そして強風が吹き付ける展望台に到着して撮影を開始です。

それまで晴れていたはずの屈斜路湖方面は、そこに月があることくらいしかわからないほどでした。

 

雲は美幌峠で発生していた

ここに来る道中でもわかっていたことですが、あらためてこのことを確認しました。

この時の風は、屈斜路湖の方から美幌峠に向かって強く吹いていました。

その湿った風が美幌峠にぶつかり、そこで「雲・霧」を発生させていたのです。

カメラやレンズにもどんどん水滴が付いてしまい、機材に気を遣いながらの撮影となります。

そして時折、風向きが変わり、霧の濃さが変化します。

そのタイミングで美幌峠を走る車のヘッドライトを構図に入れてみました。

月明かりとのコラボレーションが面白い作品になったと思います。

ちなみに夜明け直前まで、この場所に人が来ることはなく、独りぼっちの撮影となりました。

 

雲の中から雲を撮る

自分に勝った

上の写真が撮れた時、そう感じました。

仮に本能に従って駐車場の車の中で霧の様子を見ていたら、絶対に撮影することのできない光景です。

おそらく暖かい車内で寝てしまったでしょう。

三日月よりも暗いお月さまは、星明かりを消さずに見せてくれました。

よく見ると、上空にも筋雲のような雲が流れています。

霧のため肉眼ではあまり見えていないのですが、カメラで撮影することで肉眼を超えた世界を楽しむことができるのです。

これが本能に逆らってでも僕が行動する理由の一つです。

 

美幌峠の反対側

美幌峠の頂上で撮影していると、湖のある東側にばかり注目しがちですが、反対側の「美幌町方面」への見晴らしもよい場所なんです。

そこで霧が薄まったタイミングでレンズを向けてみました。

ちょうど左右に霧が流れているようで、上空には沢山の星が見えていたのですね。

風の中で耐えながら月や湖ばかりを見ていては気づけない世界がそこにはありました。

 

横も撮ってみる

ということで反対側を撮影した後は右側の斜面にレンズを向けてみました。

津別峠などがある南の方角になります。

この写真を見ると、雲がこの斜面や稜線で発生しているのがわかると思います。

そうやって色々と観察しているうちに、この南側の方角の空が晴れてきたのを感じました。

そして美しい流れ星が現れたのです。

 

一番お気に入りはこれかな

今回撮影した中で一番気に入った写真がこちらになります。

肉眼でも見えたのですが、流れ星が右上に写ってくれました。

流れ星は上から下に向かって流れていきました。

「あっ、今のは撮れたよね?」

とすぐにカメラのモニターで確認しホッとしたのを覚えています。

 

一番右上にある光のラインは、おそらく人工衛星だと思います。

最近は本当に人工衛星の光が多く写るようになった気がします。

こうして悪コンデイションの中で美しい景色を堪能できて、

「行動してよかった」という記憶をどんどん上書きしていきます。

自分の本能・潜在意識さんにそれを伝えていくのです。

 

湖が顔を出す夜明け前

そのまま峠で待つこと約1時間、朝の気配がやってきました。

いつの間にか湖もしっかりと見えています。

こうなると期待するのが

「鮮やかな朝焼け」です。

経験上、湿度が高くて雲が多い朝は、空の焼け方も鮮やかになるはずだと期待しました。
(強風の時はそれほど期待できない?)

 

次第に増えてくる雲たち

一時は視界が広がっていく雰囲気だったのですが、今度は南東の方角からの風が強くなってきました。

レンズには結露の水滴がついてしまい、お月さまが滲んで写っています。

「朝焼けまではなんとか天気が持ってほしい」

機材の状態や天候、そして自分の身体やメンタルを再度確認しました。

 

撮影者現る

朝焼けが始まるのか?

それとも雲に再び覆われてしまうのか?

美幌峠ではそのような大自然のせめぎあいが続いていました。

ちょうどその頃、一人の勇敢なカメラマンが展望台にやってきました。

機材はかなり充実しているように感じました。

「よし、僕たちのために絶景を見せておくれ」

その願いが通じたのかどうかはわかりませんが、雲の流れがまた変化し始めました。

「太陽、出るかな?」

約1時間半の間待ち続けた「絶景タイム」が訪れようとしていました。

 

諦めが肝心

この時間になると(5時42分)数名の観光客も日の出を見ようとここまでやってきたのですが、あまりの強風とその視界の悪さに黙り込んでしまいます。

実際僕も、風が吹き付けてくる正面に向かい続けるのがかなり辛くなってきていました。

こんな時は執着せずに身体の声を聞くようにしています。

それは肌の状態であったり、手足の温度だったり。

仮に極寒の場合、我を忘れて撮影に没頭するあまり、凍傷になってしまう可能性もありますからね。

そのまま朝日を見ることなく、この場所での撮影を終了することにしました。

着ていた防寒服を一切脱ぐことなく、冷えた体を車内で温めます。

ふとルームミラーを見ると、自分の鼻が真っ赤になっていることに気が付きました。

「トナカイさんかよ笑」

そのまま僕は美幌峠を下り次は屈斜路湖畔に向かったのです。

そこで見た晩秋の紅葉がとても綺麗だったので、別の記事で紹介したいと思います。

それでは最後まで読んで下さりありがとうございました。

結果がどうであれ、僕は「自分のやりたいことをやれた」という達成感で満たされていました。

 

屈斜路湖畔の紅葉

 

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