不安定な空が奏でる北海道の絶景 - 幸せカメラ.net

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不安定な空が奏でる北海道の絶景

      2016/05/10

「今までに見たことない光景」

自分の想像を遥かに超えた、そんな光景を目の前にすると、人は言葉を失います。

(今回は僕の過去写真の中でも、特に不思議な一日の光景を時系列でお見せしたいと思います)

知床で迎えた朝

秋の知床で迎えた朝、空気は冷たく霞んでいた。

知床の斜里町側は知床連山の西側に位置するので、朝日は山の向こうから昇る。

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暗い森の道を進み僕はその時を待った。

すると、思ったより霞んでいた空気が朝日を浴びて、知床連山は白い光の筋に包まれた。

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山にたまっていた霧や雲は太陽が昇るとともに次第に薄くなり消えていった。

そのまま知床五湖の方に進むと、地表付近に残っていた霧が、光に照らされて儚く揺らいでいた。

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知床五湖の秋

そのまま五湖へ行き、それなりに散策して初秋の知床をカメラに収めた。

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秋の冷たい風が心地よかったのを覚えている。

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湿地に顔を出す水面に映る空を、PLフィルターでコントロールしながら撮った。

斜里岳から見たスコール

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その後知床から斜里岳に向かい、そこで不安定な雲がオホーツク海に、にわか雨を降らせているのが遠くから見えた。

冷たい空気と暖かい空気が混じりあう、そんな気象条件だった。

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幸い自分のところへ雨雲はやってこなかったが、この後車で移動した際、滝のような雨の中を走ることとなった。

そして夕日を見たくてこの後峠を越えることにした。

弟子屈の夕刻

北海道道東の弟子屈町は、山に囲まれた盆地のような地形にある町だ。

町のすぐ近くには、神秘の湖「摩周湖」があり、少し移動すれば「屈斜路湖」も遠くない。

そしてここは天気が変わりやすい土地でもあった。

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実はここに着く前、何度も雨に降られ、それでも「もしかしたら?」という思いで標高の高い展望台へ行くことにした。

そしてその勘は当たることになった。

見たことのない、ショータイムが目の前で始まったのだ。

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16時45分、雄阿寒岳の向こうに光が現れた。

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そして不安定な雲の隙間から、秋の眩しい太陽が顔を出した。

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今まで暗かった丘には、雲や霧が立ち込めていて、それらが夕日と共に姿を現した。

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太陽が現れたのはほんの15分で、17時にはその姿を山の向うに隠した。

それでも絶景は終わらなかった。

いや、むしろここからが本番だった。

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沈みゆく太陽はグングンとその輝きを増しているようで、たった数分で雲と光は激しく変化し、休む間もなく撮影は続いた。

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そして正面の夕焼けに染まる幻想的な景色を夢中で撮影していると、自分の背後に何かの気配を感じた。

夕刻の虹

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17時1分、夕焼けに作られた虹が僕の背後に現れていた。

いや、もしかしたらもっと前からそこにあったのかもしれない。

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幸いカメラを2台体制で撮影していたので、思い切って超広角レンズで撮ってみた。

でも思ったより、そのアーチは写らなかった。

再び太陽が沈んだ西の空を見ると、一旦落ち着いたと思われた夕焼けがまた始まっていた。

2度めの夕焼けの始まりだった。

慌てて三脚にセットしてあったカメラに飛びつく。

不安定な空は二度焼ける

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「忙しい・・・」

自分一人しかいない丘で、西と東を交互に撮りながら僕はそう呟いた。

ほんの少し前まで、空は暗く雨が降っていたので、こんな光景が現れるとは想像できなかった。

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17時15分、空はあまりにも激しく焼けていた。

後ろの虹も気になるが、そちらは非常に暗くそして虹の色は薄かったので西の夕焼けの空に集中した。

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ふと右側を見ると、なんと北の空も焼けているではないか!

太陽が沈んだのはこの写真の左側だ。

それなのに、右側の方がオレンジに焼けていた。

自然とはつくづく不思議なものだと思った。

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視線を再び正面(西側)に戻すと、大きな雲が山に吸い寄せられていくのが見えた。

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小高い丘の上では、夕刻のドラマなど気にも留めない様子で、放牧された牛達が夕飯を食べているのがかろうじて見えた。

「さぁ、もうないだろう・・・ショータイムもこれで終わりだ」

機材を片付けて戻ろうとした時、再び東の空を見てしまった。

中秋の名月、現る

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「えっ、まだ終らないのね・・・」

実はこの日は「中秋の名月」、不安定な空に名月がその姿を現したのだ。

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「おぼろ月」

月はとても明るくそして妖しく輝いた。

僕は、撮影を辞める選択肢を、どうやら持ちあわせていないようだった。

そしてたぶん「フクロウ」が、僕の周りを音もなく飛んでいた。

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満月の夜に撮影すると、その写真はまるで昼間のように明るく写る時がある。

この時で時刻はまだ18時10分だった。

少し長めにシャッターを開くと・・・

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月に照らされた大地が浮かび上がってくる。

 

この日は早朝から知床で撮影し、その後斜里岳へ向かい、最後は弟子屈で中秋の名月を拝んだ。

「なんて贅沢で充実し、そして想像を超えた素敵な一日だったのか」

その余韻に浸りながら疲れた身体で僕は湿原へと戻った。

 

不安定な空が奏でる北海道の絶景」どうだったでしょうか?

気象が変わりやすい地域では、思いも寄らずこのような光景に出逢える時があります。

天気が悪いからといって諦めずに、期待してみることの大切さを知ったそんな一日でした。

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あとがき

今回の記事ですが、悪天候や悪条件での撮影を勧めるものではありません。

実際僕が撮影した場所は、雨が通りすぎた後で、雷雨の中を待機していたわけでもありません。

時に悪条件の中で待つこともありますが、基本的には天候を読み、いつも安全第一で撮影に臨んでいます。

→関連記事:絶景に出会う確率を飛躍的に高めるコツ

今回の撮影機材

ニコン D750 ボディ

ニコン D810 ボディ

ニコン AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II

タムロン SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD ニコン用

 


 - 900草原展望台(弟子屈町), AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II, NIKON D810, 知床, 風景 , , , ,