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熱帯夜に見て欲しい~極寒の北海道の写真集

      2016/07/09

NDS_8973

暑い夜を過ごしているあなたへ

この写真を見て、少しでも涼しくなってもらえたら。

~幸せカメラ KEN より

熱帯夜に見て欲しい~極寒の北海道写真

2015年12月31日 氷点下25℃

2015年12月31日 足寄町方面
氷点下25℃

「寒さは痛み」

その時期になると、僕はよくそんな言葉を口にします。

寒いというより「痛い」のです。

露出している皮膚が。

2016年2月28日 摩周湖 氷点下18℃

2016年2月28日 摩周湖
氷点下18℃

油断すると目は開かなくなり、鼻は感覚を失います。

もっと怖いのは「指」です。

足の指や手の指の、感覚を確かめながら撮影します。

「痛みがあったほうがいいのです」

感覚が消えていくと「凍傷」になりますからね。

2016年1月3日 天人峡 吹雪

2016年1月3日 天人峡
吹雪

夏の間美しい緑に包まれていた景色は、白と青の世界に変わります。

そしてそれはとても美しいのです。

寒さが創ったその彫刻を、この時期にだけ見ることができます。

2016年1月3日 層雲峡 流星の滝の氷爆

2016年1月3日 層雲峡
流星の滝の氷爆

この上の写真、クリックして拡大すると、左下の方に人が2名いるのが見えます。

寒さが創ったこの巨大な氷の壁を、協力して登坂していました。

2016年1月4日 知床 オシンコシンの滝

2016年1月4日 知床
オシンコシンの滝

 

夏にこの滝壺に近づくと、飛沫でカメラが濡れてしまいます。

それでも冬の間は水量が減り、こうしてスローシャッターで白い世界を撮ることができました。

ただ、そこに立っているだけで、自分にどんどん霜が発生してきます。

あまり長居することはできないのです

2016年1月 美瑛町 青い池

2016年1月 美瑛町
青い池

 

一晩中降り続いた雪がやっと止んで、青い池を見に行った朝、そこにあったのは「白い池」でした。

そのままそこにいても「青く」はならないので、すぐにこの場を立ち去った思い出があります。

2015年12月 達古武湖 夕焼け

2015年12月 達古武湖
夕焼け

寒さは湖の氷を動かします。

膨張した氷がそのチカラに耐えられなくなり、せり出すように割れるのが「御神渡り」と呼ばれる現象です。

そこに立っていると、何かの楽器のような音が、湖面を伝わって聞こえてきます。

2016年2月 音羽橋 雪裡川

2016年2月 音羽橋 雪裡川

もうどうしようもないくらい寒くて、それでもそこから動くことのできない美しさが目の前にあります。

氷点下20度の空気に、凍らない川の水蒸気が、湯気のように沸き立つのです。

タンチョウたちもその寒さに耐えながら、飛び立つ瞬間を待っているようでした。

そしてそれを見守る撮影者たちも、すでに霜がついて真っ白になっているのです。

2015年12月 雪裡川

2015年12月 雪裡川

そうして寒さに耐えながら待っていると、僕達と同じ目線でタンチョウがこちらに向かってきます。

全てが報われたような、そんな喜びを彼らは僕達に与えてくれるのです。

2015年12月 雪裡川

2015年12月 雪裡川

太陽の方向を飛べば彼らは輝き、湿原の神々だということを教えてくれます。

2015年12月 音羽橋

2015年12月 音羽橋

そして反対側を飛べば、赤だったり、黄色だったりと、その白く美しい身体が朝日で染まるのです。

どんなに寒くても、彼らは元気でそして美しいのです。

2016年1月 伊藤サンクチュアリ

2016年1月 伊藤サンクチュアリ

凍えながらも彼らを追い続ける、そんな思いが少しは伝わったでしょうか?

さて、それではもう少し寒いところに行ってみましょうか。

2016年1月 阿寒

2016年1月 阿寒

太陽の光でも、絶対に融けない朝の雪。

だって気温は氷点下20℃だったから。

真冬に太陽の光に照らされる時、不思議と寒さが増すことがあります。

2016年1月 雌阿寒岳

2016年1月 雌阿寒岳

全てが凍りつき、絶対に融けない場所では、自分の体温だけが頼りです。

そしてその体温も風がどんどん奪っていきます。

2016年1月 雌阿寒岳山頂

2016年1月 雌阿寒岳山頂

自分の体温が36℃。

外気温が氷点下20℃。

体感温度は氷点下30℃になることもあります。

その温度差で、防寒着の内側では激しく結露が発生します。

2016年1月 雌阿寒岳 山頂

2016年1月 雌阿寒岳 山頂

防寒着の内側で発生した結露は、そのまま凍りついていきます。

そこにとどまることは許されないのです。

動いていなければ、熱を生産し続けなければ、すぐに身体が動かなくなってしまうからです。

2016年1月 雌阿寒岳山頂 初日の出

2016年1月 雌阿寒岳山頂 初日の出

感動するのにも、注意が必要です。

動かなければならないし、撮らなければならない。

撮ると手が冷たくなるし、動くと汗をかく。

汗をかくとすぐに凍り、それを溶かすようにまた動く。

2016年1月 雌阿寒岳

2016年1月 雌阿寒岳

やっとの思いでその「氷獄」から抜け出し、風で飛んで来る氷の欠片が当たらない場所を探しました。

2016年1月 雌阿寒岳

2016年1月 雌阿寒岳

寒さで緊張していたせいか、飲み物も飲めず、食べることもできない、そんなことはよくあります。

そしてやっとのことで岩陰に隠れてインナーポケットに手を入れて温めます。

そこで思い出したように、上から2番めの防寒ジャケットの内ポケットに、凍らないように入れておいた「オニギリ」を取り出しました。

そのオニギリは、今まで見たことがないほど、カチカチに凍っていました。

でも、驚きはしませんでしたね。

見ると、飲み物もその飲み口が凍りつき、中の液体もシャーベット状になっていました。

2016年1月 雌阿寒岳

2016年1月 雌阿寒岳

信じられないかもしれませんが、ここはそんな世界なんです。

そして体力と時間が許すなら、僕はそこで寒さに耐えながら太陽が沈むのを待ちます。

2016年1月 雌阿寒岳

2016年1月 雌阿寒岳

山の日が暮れるのは早いです。

そして美しい。

下山ルートが暗くなることは覚悟のうえです。

2016年1月 阿寒

2016年1月 阿寒

そうでもしなければ、このような光景を見ることはできないのですから。

自分の心と身体と相談しながら、僕はそうやって真冬の北海道で撮り続けています。

2016年1月 足寄方面

2016年1月 足寄方面

 

「寒さは美しい」

そのことをあなたに伝えたくて僕はこれからも撮影を続けます。

おしまい

 

追伸:暑い毎日が続いていますが、熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さいね。

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