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スカイメモSの使い方②~極軸を合わせて撮影する

      2017/08/07

こんばんは。

前回記事「スカイメモSの使い方を写真で紹介します~①」の続きになります。

ポータブル赤道儀を初めて使う場合は、各パーツの特徴や操作方法など、色々と覚えなければなりませんが、実際に使っていくうちに自然と慣れます。

特に暗い屋外で機材をセッティングする場合、あらかじめしっかりと組み立て方法や操作方法を把握しておかないと、スムーズに撮影できません。

という訳で、今回も一緒に勉強していきましょうね♪

前回記事はこちらです。

ポータブル赤道儀で星空を撮ろう~スカイメモSを使ってみた

スカイメモSの使い方を写真で紹介します~①

それでは参ります。

撮影前の準備と補助アイテム

極軸望遠鏡の目盛りやピントレンズ・調整ネジ

 

やっとここまで来ました。

事前の準備や「天の北極」に関する知識など一旦覚えてしまえば、特に難しいことはありません。

三脚や雲台に関しては前回記事で掘り下げましたが、もう一度おさらいしますね。

セッティングのおさらい

現地で撮影する際や、練習でポタ赤をセッティングする場合、まずは・・・

  1. 三脚をセットして水平にする
  2. 微動雲台を三脚に取り付ける
  3. スカイメモSの本体を取り付ける
  4. 北極星を見つける
  5. コンパスやスマホアプリなどで、方位と緯度を確認・調整する
  6. 微動雲台を調整して、スカイメモを「北極星」の方角に合わせる

前回記事では、ここまで説明しました。

次に極軸望遠鏡内のスケールに「北極星」を合わせていきますが、その前に色々と覚えておくべきテクニックがあります。

まずは、一連のセッティングの際、夜であれば「灯り」が必要になりますね。

そこで両手を自由に使うためにヘッドライトを使うと思いますが、普通のLEDヘッドライトの光はまぶしすぎて、そのままの灯りで使っていると、この後に北極星を肉眼で確認するのに支障をきたします。

星をしっかりと見るためには、暗闇に目を慣らす必要があるからです。

そこでお勧めするのが「赤い照明」です。

星の観察には赤いライトがおすすめ

ホームセンターで見つけた「赤色LED付き」ヘッドライト

 

普段使っているヘッドライトやランタンに、赤いセロファンを貼ってもいいですし、このように最初から赤いLEDが内蔵されているヘッドライトもあります。

使い古したヘッドライトにピンクのセロファンを貼り付け

 

この赤い光に慣れると、ポタ赤のセッティングやカメラの設定、そして星を確認するとき、目が楽になります。

※星空を撮る時は、カメラの液晶モニターやスマホ画面の光でも強すぎるくらいですから。

また、赤い光による薄暗い中での作業になるので、セッティングした三脚に足をぶつけないように注意します。
(何度脚をぶつけたことか・・・、極軸を合わせた後に! 涙笑)

僕は経験を踏まえて、三脚に「蓄光テープ」や「反射テープ」をそれぞれの脚に貼っています。

セッティングの際、これ以外にも注意する点は、天文系のスマホアプリを使う場合は、ナイトモードにするのが良いです。

スマホのアプリもナイトモードに

流星群を観察する時などにスマホで星座の位置を確認しますが、普通のモードだとたしかに画面はよく見えるのですが、そのあとスマホから目を離すと、夜空の星が見えなくなってしまいます。

これを「赤い光」がベースの「ナイトモード」にすることで、解決します。

僕が使っている「星座表」というアプリも、ナイトモードがあります。

アプリ:星座表
ナイトモードへの変更
※クリックで拡大します

 

さて、赤い光で大体のセッティングを終えたら、再び極軸望遠鏡をのぞきます。

天の北極に合わせる

望遠鏡をのぞくと景色は逆さまに映りますよ

 

まずはクラッチノブを緩め、望遠鏡をのぞいて、アリ溝プレートを回しながら、見えているスケールを水平にします。

(明るいうちに、本体に対して水平にしておくと便利です)

そして微動雲台を調整しながら、北極星をスケールの交点(中央)に導入します。

※この時に、最初から北極星が望遠鏡の視野に入っていない場合は、大幅にずれている可能性もあるので、スカイメモ本体の右下に開いている「北極星のぞき穴」で調整してください。

そして前回記事にも書きましたが、「天の北極」は、北極星からややずれています。

そしてこれは季節や日時によっても変わるので、その都度確認が必要です。

そこで役に立つのが、スマホの「天体用アプリ」です。

天体用アプリで天の北極を確認

アプリ「Polar Scope Align」のスケールをスカイメモSに合わせた状態

 

アプリを使うと、北極星(ポラリス)を目安に、天の北極を極軸望遠鏡のスケールに合わせるのが、とても簡単です。

上の画像の中心が「天の北極」で、右下の時計でいう4時35分あたりの印が「北極星」の位置です。

僕が使っているアプリは「Polar Scope Align」です。(無料)

また、このアプリはIOS用しかないみたいです。

Polar Scope Align

これを起動しますと、最初から「ナイトモード」になっていました。

そしてこの初期画面のスケール(レティクル)は、違う極軸望遠鏡の形だったので、スカイメモSのスケールと同じものに変更します。

スケール(レティクル)の変更方法

最初に起動した時の画面

 

まず、アプリを起動した画面で右下の「設定」を押して、次に左上の「Change Plar Scope Reticle」をタップします。

するといくつかの項目が出てくるので、自分の持っている極軸望遠鏡のスケールに合った物を探します。

各メーカーの極軸望遠鏡ごとに違う、「レティクル=照準」のタイプを選べるんですね。

ここに、スカイメモSという名称はありませんが、左上の「Orion/Skywatcher 2012-2032」というレティクルが同じタイプなので、これを選択します。

ちなみに、ビクセンの「ポラリエ」用のレティクルもあります。

そして右下の「Done」を押して最初の画面に戻ります。

これでスカイメモSの極軸望遠鏡と同じスケール(レティクル)になりました。

あとは実際に極軸望遠鏡をのぞいて、微動雲台を操作しながらこの位置に北極星を導入するだけです。

アプリを参考に北極星の位置を調整

 

スマホのOSがアンドロイドの場合は、こういったアプリが使えそうです。

PolarisView

文章で書くとどうしても長くなってしまいますが、実際はアプリを起動して微動雲台を調整するだけなので、慣れると早いですよ。

ただし、先ほど簡単に書きましたが「北極星を極軸望遠鏡に導入する」というのが、実は結構なハードルになることもあります。

(微調整は簡単だけど、そもそも極軸望遠鏡内に北極星を捉えられるか、ということです)

北極星を効率的に合わせる方法

北極星の探し方

 

僕は今でこそ慣れたのですが、最初の頃は「北極星」を極軸望遠鏡の中に持ってくること自体につまづいていました。

極軸望遠鏡で見ると、星が明るく拡大されて見えるので、北極星を見失ってしまうのです。

やはり広い視野で見たほうが北極星の位置はわかりやすいですから、本体の「北極星のぞき穴」も利用するのですが、これが意外とコツを必要とします。

穴自体の大きさがまぁまぁあるので、自分の立ち位置によっては、極軸からズレていても北極星が見えたりするんです。
(覗き穴にストローや丸めた紙を入れて穴を小さくしたりもしました)

三脚のセッティングも、安定性を考えて脚を短くすることが多いですから、極軸を合わせる時はしゃがんでいることが多いです。
(イスがあれば便利ですね)

なかなか北極星が極軸望遠鏡に捉えられない時は、いつの間にか呼吸が荒くなっていることも。

それでも何度かやっているうちに慣れるのですが、もっと便利な方法があるので紹介します。
(寒い時や、時間がない時などに手こずると、撮影前に体力とメンタルを消費しますからね)

そのためにはまず「北極星が見えない場合」をイメージしてみてください。

北極星が見えない場合の極軸の合わせ方

マンションのベランダのイメージ

 

例えば、自宅の南向きのベランダでポタ赤を使うとします。

当然北極星は見えないので、極軸望遠鏡を使って「天の北極」に合わせることはできません。

でもそんな時に使える便利なアイテムがあります。

前回記事でも何度か名前を挙げていますが、有名なポタ赤「ポラリエ」を開発したビクセンから発売されている、「ポーラーメーター」という道具です。

ビクセンの「ポーラーメーター」

 

これは非常にシンプルな造りで、使ってみると「なるほど」と思わせてくれます。

これがあれば、北極星が見えない場合でも、ある程度合わせることができます。

ポーラーメーターをスカイメモSで使ってみる

使い方ですが、ポラリエの本体には「北極星のぞき穴」はもちろんありますが、カメラのストロボを取り付けるような「アクセサリーシュー」もあります。

 

このポーラーメーターは、そのアクセサリーシューに取り付けて使えるようになっています。

ではこれを、アクセサリーシューのない「スカイメモS」にどのように取り付けるのか?

簡単です。

スカイメモS本体のシールに合わせてマスキングテープで固定

 

スカイメモSの電池フタに最初から丁寧に貼ってあるシールに合わせて、マスキングテープで取り付けます。

こんな風に丁寧にそして綺麗に貼り付けます。
(えっ?キタナイ?)

後はポーラーメーターのコンパスで北を確認し、高度目盛りを自分のいる緯度に合わせるだけです。

本体を北に向けるための水平方向の回転は、三脚に取り付けてある「雲台」や「パン用のパーツ」で行います。

そしてポーラーメーターに内蔵されている「水準器」が水平になるように、微動雲台の高度を調整します。

極軸望遠鏡を使うのに比べて精度は落ちるとは思いますが、北極星が見えなくても極軸を合わせられる素敵なアイテムだと思います。

僕は最初、先にカメラを取り付けてスカイメモ本体と平行になるように調整し、カメラのアクセサリーシューにこのポーラーメーターをつけようとしたのですが、かなりキツかったので「ヤバイ!」と思って止めました。

無理矢理装着する子

 

壊すタイプですからね、僕は。

このポーラメーターについては、ビクセンさんの動画を紹介します。

 

今回、ポータブル赤道儀についての最初の記事に書きましたが、僕は最初この「ポラリエ」を注文しようと思っていたんです。

その時に色々と調べていたら、「このポーラメーターは便利だな」と感じたので、スカイメモSを注文する際にこれも追加しました。

肉眼で北極星を確認でき、さらに極軸望遠鏡内にしっかりと合わせられる場合は、このポーラメーターの出番はありません。

でも逆に考えると、これがあれば撮影場所の選択肢が広がりますね。

ポータブル赤道儀を使って超広角レンズで撮影するなら、正確にシビアに極軸を調整しなくても、かなり奇麗に撮ることができます。

ポーラーメーターを上手く使って、撮影の幅を広げましょう。

また、このポーラメーターで「より精度を上げる方法」もメーカーの動画で紹介されていました。

ポーラメーターの使い方 その②

これは「コンパスが指す北は、天の北極とは少しずれている」というお話です。

ポーラメーターを使う場合は、参考になります。

それではいよいよ、カメラを取り付けましょう!

豆知識が多くてなかなか進みませんね、スイマセン。

スカイメモS本体に自由雲台を取り付ける

スカイメモS本体に取り付けたカメラで自由に構図を決めたい場合は、「自由雲台」が必要になります。

これを付属のショートプレートに取り付けて、本体に固定します。

自由雲台は、撮影する機材の重さに耐えられるものにします。

僕はマンフロットの「アルカスイス互換プレートタイプ」の自由雲台を使っています。

これにカメラを載せて実際に角度を調整する際は、少々コツを必要としますが、バランスよく設置するのが望ましいです。

カメラ一式は結構重いですからね。

自由雲台にカメラを取り付ける

D810を固定

 

僕はニコンD810にレンズはタムロン15-30mm f/2.8をメインとし、L型ブラケットを使って縦でも横でも撮影を可能にしています。

アルカスイス規格のL型ブラケット

 

 

また、赤道儀を使う場合は、30秒の以上の露出になるので、カメラをマニュアルモードにし、シャッタースピードを「バルブ」に設定します。

リモートレリーズは必須です。

過去記事に詳しく書いてますので参考にして下さい。

花火大会や星空を撮る時に使いたい「リモートレリーズ特集」

僕はこの記事の中の、「ロワジャパンタイマー付きリモートレリーズ」を使っています。

赤いLEDライトが点くし(画面は緑のLED)、音もなるので、色々と工夫することができます。

実際に撮影する際の露出時間は、撮影場所の環境(街灯りや月の状態など)やレンズの性能などで変わってくるので、特に決めずに撮りながら探っています。

ロワジャパンのリモートレリーズは、液晶表示で時間がわかるので、使いやすいです。

レンズの絞り開放の明るさがf/2.8なら、大体いつもf/4くらいに絞って、ISOは800くらいにし、1分から2分間露出しています。

カメラ:NIKON D810
レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
絞り:f/3.2 SS:61秒  ISO:400
焦点距離:15mm 三脚 RAW
同条件の6枚を加算平均合成

 

露出の設定ですが、風景写真や夜景などを撮る方であれば、星景写真の場合でも、特に難しくはないと思います。

大事なのは、撮った写真を見ながら、自分で適正露出を考えることです。

後からの「現像処理」や、「複数枚で合成するか?」など、地上の風景を生かした構図などを考えながら、ポータブル赤道儀の世界を堪能してください。

まとめ

カメラ:NIKON D750
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 ED VR
SS:50秒 絞り:f/4 ISO:400
焦点距離:200mm 赤道儀 RAW

 

以上、ポタ赤の導入「初級編」になりますが、いかがでしたでしょうか?

これから始める方であれば、撮る前から結構お腹いっぱいになったかもしれませんね♪

ただ、普段から星景写真を撮る方で「ポタ赤はちょっと」と敬遠しているのであれば、是非使ってみてほしいです。

繊細でノイズレスな星空を簡単に撮ることができます。

またポタ赤の選び方ですが、僕はカメラ機材の搭載可能重量の関係からKenkoの「スカイメモS」を選択しました。

本体や周辺機材・オプションを含め全て揃えると結構な量にも重さにもなります。
(僕自身は気になりませんが)

そして軽量化やコンパクトの面からはビクセンの「ポラリエ」がオススメです。

「気軽に、どこへでも持っていける」

ポラリエにはそんな魅力があります。

今後は、ここから発展させたセッティングについて紹介します。

「望遠レンズの使用」や

「2台のカメラを載せる」

など、様々なポタ赤の使い方があります。

普段自分が使っているカメラとレンズで、このような写真が撮れたら嬉しくないですか?

僕はびっくりしましたよ。

ポタ赤スゲ~!って♪

こういう写真もポタ赤があれば比較的簡単に撮れるので、是非チャレンジしてみてください。

それでは、素晴らしい星空に出会えますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

以下、望遠レンズや2台体勢で撮るときなど、必要になるアクセサリです。

 

最初からこのようなケースに入った物が欲しかったです。

よりコンパクトになった新型「スカイメモT」も発売されています。
こちらは、スマホで操作できるようです(スペックは今後要検証です)

 
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