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野鳥を撮る時の距離感や間合いは?

      2016/06/22

前回記事では雑木林の樹に集まる沢山の野鳥について紹介しましたが、今回はその続きをお話したいと思います。

→前回記事:野鳥の撮影~機材とコツ

1.春の湿原を静かに歩く

NDS_8979

春が近付く湿原の雑木林で、沢山の野鳥たちと触れ合った僕は、雪が残る散策路をもう少し散歩してみました。

この時期からはそろそろ、雪深い山の方に行くと、ヒグマの気配が感じられるので注意が必要ですが、ここ湿原ではあまり目撃情報は入ってきません。

ヒグマ

ただ、昨年はたしか近郊の森で、林業の作業中にヒグマに襲われて亡くなった方がいました。

そんな事故が2件あったと記憶しています。

春になり僕が山に入る時はいつも「熊撃退スプレー」を携帯していますが、カメラ機材が重くかなり大きいので、いざ熊と鉢合わせたら結構厳しいだろうなと、いつも想像しています。

残雪がある場合は、雪面の熊の足跡を見て、新しいものか判断することもあります。

昨年の春はあまりに大きくリアルで新鮮な、ヒグマの足跡を林道で発見して、早々に撤退したこともありました。

恐らくオスの成獣の足跡だと思いますが、自分のトレッキングシューズと同じくらいありましたからね。
(靴のサイズは約27cm、ブーツの外形は30cmはあったはずです)

今回も一応熊の気配には注意しながら、雑木林を進みました。

カラ類の群れは上空の猛禽類のパトロールのせいか、その姿を消していました。

賑やかだった雑木林はすっかり静まり返っています。

こういう時は耳で探します、彼らの気配を。

すると何か音が聞こえてきました。

「コンコンコンコン・・・」

キツツキの音です。

この辺りの森には、

・クマゲラ
・ヤマゲラ
・オオアカゲラ

など、比較的珍しいキツツキも生息しています。

僕は野鳥メインで撮影することはそれほど多くはないのですが、彼らは意外と僕の前に姿を現してくれます。

この時もいろんな方向からキツツキの気配が感じられるのですが、なかなか姿が見えないんですよね。

そんな時は自分の動きを止めて「待つ」作戦をとります。

自分が動かなければ、相手が動いたのが漠然とわかる時があります。

そして主を見つけました。

NDS_0287

木漏れ日で頭が光っていたので、かなり目立ちましたね、その赤い帽子が♪

アカゲラのオスですね。

さっきはカラ類の混群と一緒にメスがいたのですが、今度はオスが単独で行動していました。

彼らはこの森で出逢うのでしょうかね♪

そしてさらに歩いて行くと、日が当たる場所で「ネコヤナギ」のような白い木の蕾を見つけました。

NDS_0336

あいにく200-500mmの超望遠レンズしかなかったので、接写してモフモフ感を出すことはできませんでしたが、ここでも春の匂いを感じました。

その時です!

林の中に何か大きな塊を見つけました。

少し遠いけどあれは・・・?

静かにゆっくり近寄ると・・・

デカイ!

NDS_0352

そこには2羽の「オジロワシ」があまり太くない樹の枝に距離をおいて留まっていました。

恐らくあの辺りでは雪解けで水溜りがあるんじゃないかと思いました。

自分の歩く辺りも結構ぬかるんでいましたからね。

大空や、海辺や湖でダイナミックに舞う彼らの姿を見ることは多いのですが、こうして林の中に佇む姿は普段あまり目にしません。

それにもう少ししたら彼らの姿はほとんど見かけなくなります。

ドキドキしながら、樹の枝が開けている場所を探しました。

恐らく彼らは、僕の存在にだいぶ前から気付いているはずです。

あとは「どこまで許されるか」です。

僕は野生動物を撮影する時は基本的に「彼らに気付かれている」と考えています。

気付かれないのが理想的ですが、散策・移動しながら撮影する僕のスタイルでは、彼らの鋭い感覚で気付かないはずがないと思っています。

その上で、「どこまで近寄って良いのか?」を間合いを図りながら見極めています。

彼らが警戒や緊張しているなら僕は止まるし、リラックスしている感じや、僕の存在を許してくれていると感じた時は、少しずつ近寄ります。

そんな風にこの時も、枝が邪魔にならないところまで少しずつ移動していきました。

そして何とか自分の中のベストポジションまでたどり着くことができたのです。

あとは彼らの動きを見逃さないことです。

超望遠を手持ちで構え続けるのは、体力的に厳しいですが、最近は少しずつ慣れてきた気がします。

そして観察しているとオジロワシの様子が少し変わってきました。

嫌がっていました、明らかに。

一羽がそわそわと辺りを見回していました。

もう一羽はあまり気にしていないように見えました。

僕はその場から動かないようにして、刺激しないように見つめ続けました。

 

すると飛ぶ前の予備動作(フン)をして、ついに間合いを嫌った一羽が飛び立ちました。

NDS_0383

ファインダー越しに見つめていた僕は、その姿をしっかりと撮らせてもらいましたが、同時に申し訳ない気持ちもなかったわけではありません。

彼らがそこにいたのは、「意味のないことではない」からです。

恐らくそこで、池か水溜りで、餌を探していたはずですから。

僕は残るもう一羽に別れを告げてそこから立ち去りました。

 

それでも、これだけ見通しの悪く枝の多い林で、綺麗にその姿を撮れたのはとても嬉しかったです。

 

そして何気なく反対側の斜面を見た時です。

NDS_0413

あれは人?釣り人?

一瞬そんな風に見えました。

そこには「アオサギ」さんが立っていました。

この湿原では、アオサギはとても警戒心が強く、滅多に近寄ることができません、少なくとも僕はいつもそう感じています。

この時の距離は約40m。

ほぼ限界の距離だったと思います、彼らの嫌がる領域としては。

まるで釣り人のように動かず佇む彼らを偶然見つけた僕は、オジロワシから離れるようにそちらに近寄りました。

すると、アオサギたちは水面に集中しているのか、こちらを見ようとしません。

 

僕は彼らがよく見えるところまで回り込んで、限界だろうと思えるところで止まりました。

そしてそこで初めて目撃したのです。

狩りの瞬間を

今まで僕は、彼らの狩りの瞬間を見たことはありませんでした。

ほとんどのケースでは彼らが全くその場から動かないか、逃げてしまうか、そのどちらかだったのです。

でも今回は、雪解けの緩やかなせせらぎに彼らはとても集中していました。

まるで僕の存在に気付かないかのように。

NDS_0491

そして予備動作無しに滑らかに素早く水中に顔をうずめました。

ファインダー越しによく見ると何か咥えているように見えました。

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狩りの成功でした。

小さなドジョウのような魚がピチピチと口先で動いているのが見えました。

そしてもう一羽のアオサギも「シュッ」と水中に頭を突っ込みます。

見ていると結構な頻度で魚を食べているのが見えました。

NDS_0535

これもまた、僕にとっては貴重な体験となりました。

まだまだ冷たい風がアオサギのいる方から吹いてきました。

恐らく僕が風下にいたことも、撮影が成功した要因なのかもしれません。

結構強かったので、風が。

しばらく観察していると、どこからかもう一羽のアオサギが現れて、

僕も仲間に入れて

と言わんばかりに狩りをしている二羽に近づきました。

NDS_0580

その時の彼らの微妙な空気が今思い出しても笑えます。

先にいた方は、

え?まじで?

とその場で固まったし、

あとから来た方は、

取り込み中?ダメ?

みたいな感じで、見つめ合って固まったのですから(笑

そのまま三つ巴状態になって彼らはいつものようにすっかり動かなくなったので、僕もそこを立ち去りました。

帰り道、遠い空に白い翼が見えました。

まるで空中で止まっているように見えたのですが、たぶん・・・ノスリ

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「いったい今日は何種類の鳥に出会ったのだろう?」

そんな喜びに満たされました♪

そしてこの場所は街から結構近い場所だったので、この後は戻って夕焼けでも撮ろうかと、そう考えました。

ここ、釧路湿原の夕焼けはとてもダイナミックで、いつ見ても感動させてくれるんです。

そんなことを考えながら車に戻り街に向かうと、踏切で遮断機が降りローカル線のディーゼル車が湿原に向かうところでした。

カメラにはまだレンズがそのままだったので、思わず車の窓を開けて撮影。

NDS_0663

「そういえば今年はSL冬の湿原号を撮らなかったな~」

そう思い出しながら湿原を後にしました。

この後は世界三大夕日の撮影に向かいます。

長くなりましたので、続きは次回で。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

今回の撮影機材
↓ ↓ ↓
ニコン D810 ボディ

ニコン AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

→次回記事:世界三大夕日~幣舞橋に沈む太陽

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