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【上達講座】測光について理解する

野付半島の朝焼け(ピントはエゾシカに合わせていますが、露出は朝焼けの空に合わせています)

 

上達講座へようこそ!

今回は、カメラの重要な機能である「測光」についてお伝えします。

 

この測光というのは、普段から気付かないうちに使っているものですが、それを理解することで、自分が望む作品をより美しく仕上げることができます。

それでは参りましょう。

 

測光とは?

真冬の摩周湖の日の出

まず「測光」の意味について考えてみます。

それは文字通り「光を測る」ということですが、どこの光を測るのでしょうか?

上の「冬の摩周湖の日の出」の写真を見ると、眩しい太陽が昇り、雪の斜面をオレンジ色に染めています。

ちなみにこの構図の主役は「霧氷」です。

斜面に立つ木々に咲いた霧氷が、朝日を浴びて輝く様子を捉えようとしました。

このように主役や主題に対して「どこを基準として露出を合わせるのか?」が大事なポイントとなってきます。

つまり「測光」とは「被写体の明るさを測る」ということです。

構図内に収まる「作品の明るさ」を決めると言うことは、カメラの露出を合わせることと同じ意味です。

上の写真は「霧氷」に露出を合わせようとしました。

つまり霧氷の部分を基準にして「測光」しているのです。
(正確には画面全体を測光しています)

これは普段から「自分は今、測光している」という意識がなければ気付かないと思いますが、上達講座を受講しているあなたは「測光」について意識して下さい。

 

以前の上達講座【vol.13 デジタル写真の色について③】の中で、

  • パソコンのモニター
  • スマホのモニター

この二つのモニターの明るさの違いを「デジカメで測る」というテクニックをお伝えしました。

今思えば、やや難しい内容でしたね。

先にこの「測光」を学んでから「モニター合わせ」についてお伝えしたほうが良かったかな?と思いました。

あの時は「露出計」と称した「デジカメ」を使ってモニターの露出を測りましたが、それが今回お伝えしている「測光」という行為なんですね。

ただ、その時のテーマは「モニターの明るさによって、デジタル写真の色は変わる」ということだったので、測光の概念については触れていませんでいた。

 

測光の方法とAEについて

測光センサー(ニコンイメージングジャパン)

 

測光は、カメラに内蔵されている「測光センサー」が自動的に働いてくれます。

測光センサーが働くタイミングは「シャッターボタン」を半押した時です。

つまり、シャッターを切る動作の中には、

  • ピントを合わせる(半押しにAFを割り当てている場合)
  • 測光して適正露出に合わせる
  • 全押してシャッターを切る

という3つの要素が含まれています。

そしてこの「測光して適正露出を合わせる」機能のことを「AE(自動露出制御)」と呼びます。

ただシャッターを切るだけで、誰でも標準的な明るさの写真が撮れるのは、
この「AE」が働いているおかげということです。

当然と言えば当然の機能ですよね。

ここまでは大丈夫でしょうか?

 

「測光」は、被写体の明るさを測るという意味でした。

そして、測った明るさに合わせて自動で露出を決めてくれるのが「AE」という機能になります。

これらはほぼ同時に作動しています。

また、どの場所を測光するのかは撮影者の自由ですが、適正露出はAEで自動的に決まります。

覚えてくださいね。

このAEという機能も普段意識することが少ないかもしれませんが、自分が望んだ結果を得るためには、知っておいてほしい知識です。

次は、測光モードの種類について説明します。

どのモードを使って「測光するのか?」をイメージしてください。

ただ、実際にモードを使いこなすのは、やや難しいかもしれませんが。

 

測光モードについて

測光モードの切り替えボタン(ニコンイメージングジャパン)

 

ここではニコンのカメラを例に説明しますが、どのメーカーの機種にも必ず同じような機能があります。

まず測光の種類ですが、機種によって3つから4つの測光モードがあります。

  • マルチパターン測光(多分割測光)
  • 中央部重点測光
  • スポット測光
  • ハイライト重点測光

などがあります。(ニコンの場合の呼び方です)

あなたは普段どのモードで撮っていましたか?

 

マルチパターン測光とは

マルチパターン測光(ニコンイメージングジャパン)

 

マルチパターン測光(多分割測光)とは、画面全体を細かく分割し、全体の光や色のバランスをカメラが自動で判断するモードです。

標準的なモードとも言えます。

通常の撮影ではこの「マルチパターン測光」を使うことで、誰でも失敗の少ない写真を撮ることができます。

 

ですが、この講座を受講されているあなたは、ここからもう一歩踏み込んで行きます。

 

中央部重点測光とは

中央部重点測光(ニコンイメージングジャパン)

 

この中央部重点測光は、画面の中央部分にある「円」の範囲内を重点的に測光します。

日の丸構図で主役が画面中心にある場合は、この中央部重点測光が適しています。

僕自身あまりこのモードは使いませんが「確実に中央の被写体に露出を合わせたい」という場合は、適したモードではないかと思います。

上の構図の測光には適していませんが、中央に人がいた場合は使えるモードになりますね。

もしくはこの構図でも「AEロック」を使うことで、この測光モードを活かすことも可能です。

AEロックについては後ほど説明します。

 

知床の森で転寝するキムンカムイ

上の写真はマルチパターン測光で撮影しましたが、

  • 明るい背景
  • 暗い(黒い)クマ

をバランスよく撮るのは結構難しいです。
(この写真はあとからRAW現像で露出を調整しています)

マルチパターン測光だと「明るい背景」か「暗い熊」のどちらかに露出が引っ張られることが多いのです。

つまり構図の中の輝度差が大きい場合は、思ったよりも「明るくなりすぎる」か「暗くなりすぎる」というケースがあります。

この時、クマを構図の中心にして「日の丸構図」で露出を合わせるなら「中央部重点測光」でも良かったかもしれません。

また、クマに対して「AEロック」して露出を決めてから、構図だけを変えることも可能でした。

もしくは次に紹介する「スポット測光」でクマに合わせることも考えられます。

 

スポット測光とは

スポット測光(ニコンイメージングジャパン)

 

スポット測光とは、フォーカスポイントと連動して狭い範囲、画面のごく一部分を測光するモードです。

全体のバランスは無視します。

この機能は機種によって異なる場合があるので、取扱説明書をよく読むことをお勧めします。
(フォーカスポイントと測光ポイントが連動しない機種もあります)

ニコンの場合は上の写真のように、フォーカスポイントに連動して「女性の顔」が測光ポイントになります。

画面全体のバランスはとらないので、屋外の風景はかなり「白飛び」していますね。

・どこに露出を合わせるのか?

が明確に決まっている場合は、このスポット測光がおススメです。

その代り、白飛びや黒つぶれのように「失う物」もあると言えます。

 

僕は逆光の中で野鳥を撮影するときにこのモードを使います。

 

この左側の写真が「マルチパターン測光」で、右側が「スポット測光」というイメージです。
(丁度よい写真がなかったので、現像でイメージを表しています)

右側の写真の露出のほうが「理想的」に感じられると思います。

ですが、野鳥が狭い測光ポイントから外れてしまった場合、背景の空や明るい部分を測光してしまうと、とても暗い写真になってしまうことも多々あります。

実際、野鳥は動くし飛びますからね。

これらのモード切替はニコンの場合「左肩」のモードボタンとコマンドダイヤルで簡単に操作できます。

・自分が望む露出に合わせる

このことを意識しながら、測光モードを切り替えて使いましょう。

 

ハイライト重点測光とは


「ハイライト重点測光(ニコンイメージングジャパン)」

上の2枚の写真ですが、暗い部屋に座る「白い服を着た女性」を撮影したものです。

画面の中央にあるスライダーを左右に動かすと、2つの測光モードの特徴がわかります。

左側は「ハイライト重点測光モード」で露出を決めた画像で、右側は「マルチパターン測光」になります。

このハイライト重点測光の特徴は「決して白飛びさせない」ことにあります。

 

この場合、女性の服が白飛びしやすいので、そこを自動的にハイライトの上限として適正露出を決めています。

マルチパターン測光だと全体のバランスを取ろうとするので、背景や女性の顔もやや明るくなり、「白い服」はそれに引っ張られて白飛びしていますね。

どちらが良い悪いではなく、自分が望む結果を得るために、どちらの測光モードが適しているのかを判断しましょう。

 

もちろん「ハイライト重点測光」の機能が内蔵されていなくても、モニターでヒストグラムを見たり、撮影した画像を見ながら「白飛びしない写真」を撮ることは可能です。

また、太陽などとても明るい被写体を「白飛びさせたくない」と考えて、このモードを使うのは要注意です。

夕暮れにねぐらに帰るタンチョウのつがい

 

太陽自体はそもそも「色の階調」がほとんどなく「白飛びしている存在」ですからね。

もし太陽の階調を出そうとするなら、相当暗い写真になるはずです。

僕自身も、以前はこのモードを使って失敗写真を沢山撮りました。

「白飛びさせたくないなぁ」と安易に考えて撮影していたのです。

すると写真が真っ暗になってしまったのです。

上の写真は、夕暮れのシルエットを撮りたかったので「明るい空」を構図内に多めに入れることで、全体的に暗い写真に仕上げています。

この時に、下の暗い部分を多めにすると、当然全体の露出は明るくなります。

 

やはり明確な意図を持っていなければ、望む結果は生まれないということですね。

次は、測光ポイントから適正露出を自動的に決めてくれる「AE」についてお伝えします。

 

AEロックについて

AE/AFロックボタン(ニコンイメージングジャパン)

 

測光という行為は「シャッターボタンを半押し」することで行っています。

同時に、カメラは自動で「適正露出」を決めてくれます。

先程も説明しましたが、これが「AE」という機能になります。

でも、カメラが決める「適正露出」は、自分が望む適正露出になるとは限りませんよね。

次の写真を見てください。

 

左の写真が「マルチパターン測光」で撮った「適正露出」の画像です。

これは「RAWデータ」という編集前のデータをそのままJPEGに現像したので、その暗さが伝わると思います。

右の写真はその画像を自分が望む「適正露出」に修正した画像です。

最初から右側の露出で撮るのが理想ですが、マルチパターン測光で撮った「適正露出」は、このように自分の理想とは違う場合があります。

この時のシチュエーションは、輝度差がかなりある林道をキタキツネが歩いていたので、とっさに撮影しました。

マルチパターン測光なら「失敗は少ない」と判断したのです。

キタキツネは意外と素早いし、肉眼で見るとそれほど輝度差があるようには見えませんでした。

■ここで豆知識

肉眼で適正露出を判断するのは意外と難しいです。

なぜなら人間の目や脳は、自動的に「適正露出」に導こうとする習性があるからです。

それも無意識に、です。

絶対音感のような、絶対露出というものは人間には存在しないので、相対的に明るさを判断していることになります。

経験はあると思いますが、暗いところを見ているとだんだん目が慣れてきて、急に明るい屋外に出ると眩しく感じます。

逆に明るい屋外から室内に入ると、暗さに目が順応するのに時間がかかることもあります。

そういう意味で考えると、人間の目は主観的なので錯覚もしますよね。

肉眼で「適正露出」を判断することは難しいということです。

そこでカメラの「モニター」を見て、撮影した写真からヒストグラムや露出を判断したりするのです。

ヒストグラムについては別の機会にお伝えします。

 

 

別の写真を見てみます。

これも「マルチパターン測光」で撮った写真ですが、左は補正前の生のデータです。

やはり狐の表情は暗いですが、輝度差が少ない構図なので、後からの現像も楽にできました。

右の写真が現像したものです。

主役が狐ですから、全体的に露出を明るくしても背景の白飛びは気になりません。

この時は「連写」していたので、そういった流れでこの露出になっていますが、マルチパターン測光だと極端な失敗は少ないのがわかると思います。

ですが、自分が望む「適正露出ではなかった」というのも大事なポイントです。

 

AEロックを使う

そこでもう一歩、上達講座では踏み込みますが「AEロック」という機能を覚えて下さい。

この機能が使えるのは「中央部重点測光」と「スポット測光」になります。

その方法は文字で書くと伝わりづらいかもしれませんが、まず最初に「適正露出」だと思うポイントにフォーカスを合わせてシャッターボタンを半押しして測光し、AEを作動させます。

ここで言う「適正露出」とは、先程のキタキツネの写真で言うと、現像後の明るい写真のことです。

つまり「キタキツネだけ」を測光します。

そのまま半押しをキープして、AEをロックしたまま好きなように構図を変え、シャッターを全押しします。

こうすることで、AEを合わせた露出のままで、自由に構図を作ることができるのです。

実際にやってみるとわかりますが、これにはボタンの割り当てを考える必要があります。

僕の場合は、オートフォーカス(AF)は、親指のボタンに割り当てています。
(後ほど説明します)

ということは、シャッターボタンを半押しても、AFは作動しません。

上の写真のボタンにAF-L(オートフォーカス)、AE-L(AEロック)など、割り当てることができます

 

つまり、ピントは「AF-Lボタン」に割当てて親指で操作し、シャッターボタン半押し(人差し指)は「AEロック」のみに使っているのです。

 

もう一度説明しますが、このAEロックとは、ピントを合わせたいポイントではなく、別の場所を測光して、そのまま露出をロックできる機能です。

先程のキタキツネの写真で考えると、まずキタキツネを中央部重点測光でAEロックして、そのまま構図を変えてピントだけを親指AFで合わせます。

こうすることで「日の丸構図」ではなくても、中央部重点測光で望む露出を得ることができます。

動き物を撮る時にこれをやるには「慣れ」が必要ですけどね。

 

このAEとAFをシャッターボタン半押しで行う場合は、測光したあとにピントが合わなくなる可能性があります。

特に「AF-C」という「動体用」のオートフォーカスモードにしていると、半押しにしているだけでフォーカスポイントが自動で変化します。

そこでシャッターボタンで「AEロック」をする場合は、AFボタンは「親指」にすることをオススメします。

もちろん逆も可能です。

AFはシャッターボタン半押しにして、AEロックは上の画像の「AE-L」に割り当てることで、親指で「AEロック」するパターンもありますね。

たしか、カメラは工場出荷状態だと、そのようになっているはずです。

僕はもう自分で使いやすいようにボタンの機能割り当ては変えているので、初期状態はちょっと覚えていません。

親指AFについてはこちらの記事を御覧ください。

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「2.1 親指オートフォーカス」があるので、読んでみてください。

 

まとめ

 

自分が望む露出を得るためには、カメラの様々な機能を活かす必要があります。

上の写真のように、静物をじっくり時間をかけて三脚で撮影するのであれば「マニュアルモード」で露出を自由に設定することもできます。

撮った写真を見て「暗い」と感じたのであれば次は「明るく」なるように調整します。

ですが、オートモードを活用し、さらに測光モードとAEロックを組み合わせることで、一発で「適正露出」を導き出すことも可能です。

その上で「RAW現像」というテクニックを最終的に使うことで、写真の質は格段に向上させることができます。

つまり、最初から「現像」に頼るのではなく、現地での撮影をしっかりと行うことで「撮って出し」でも使えるような写真を撮ることを目標にします。

このあと「現像」についてお伝えしていきますが、まずはカメラの機能をフルに使って「望む露出」を得られるように努力しましょう。

次回は、今回の「測光」と「AE」に関係のある、「露出補正」についてお伝えします。

この知識があれば、オートモードでの撮影が格段に楽しくなります。

 

それでは最後まで読んでくださってありがとうございました。

次回をお楽しみに♪

 

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