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ニコンD500を1年間使ってみて~野生動物を撮る

      2017/08/22

こんにちは。

幸せカメラのKENです。

随分とご無沙汰しておりましたね。

前回のブログ更新から見ると、約一年が経過しました。

その間には色んなことがありましたが、撮影は少しずつ続けていましたよ。

実際にこの一年間、何を撮っていたのかと言いますと、

  • 満天の星空や天の川(ポータブル赤道儀の導入)
  • 月夜の雲海、夜景
  • 野生動物(主にエゾシカやエゾリス、そしてキタキツネなど)
  • 厳冬の北海道(ダイヤモンドダストや霧氷・気嵐)
  • 季節を感じられる風景写真
  • 北海道道東の湖(摩周湖や屈斜路湖)

このようなロケーションをメインに撮影していました。

2017年の8月には、カメラを始めて約2年8ヶ月ほどになるのですが、だんだん自分が撮りたいものが絞られてきました。

(ツイッターの方では定期的に写真を投稿していたので、そちらで見てくださった方もいると思います)

さて今回は、メインカメラとして撮影に使っている「ニコンD500」を一年以上使ってみて、

「このシチュエーションでここまで綺麗に撮れた!」

と思える作品が撮れ、そのことについて色々と考えてみました。

すると、自身の撮影技術の向上などを伴って機材への理解が深まり、D500の性能について再評価できるポイントが見えてきたので、写真を見ながら振り返ってみたいと思います。

ニコンD500の評価については今までも、

  • 購入前
  • 購入直後
  • 初期レビュー
  • 2ヶ月間使い込んで

など、様々なレビューを書いてきました。

→カテゴリーNIKON D500

ただ当時は「使い込む」というレベルまでは全く達しておらず、正直言ってニコンD500には「連写番長」のようなイメージも感じていました。

つまり、連写は速いけど、描写はイマイチかな?といった感覚です。
(最初は感動だらけだったのですがね)

ところがどっこい、1年間使い込んだことで、

「ここまで撮れるんだ!やっぱり凄いD500」

と改めて認識させてくれたのです。

どうやら僕はそのポテンシャルを引き出せていなかったようです。

 

またこの一年で新しい周辺機材(三脚や一脚、撮影補助アイテムなど)の充実もありました。

こちらについては別記事で詳しく取り上げていきたいと思います。

 

それでは参ります。

(記事内の画像は全てRAW現像でレタッチしております)

 

ニコンD500で撮れたこの一枚

キタキツネの横顔

カメラ:NIKON D500
撮影時刻:18:45
レンズ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6 ED VR
SS:1/100秒 絞り:f/8 ISO:2000
焦点距離:370mm 換算555mm  一脚 RAW
テレコンバーター:TC-14E Ⅲ
露出補正-0.7

 

薄暗い夕暮れ時の、この一枚。

特に何の変哲もない、自然な表情の「キタキツネ」の写真です。

「えっ?普通でしょ」

と思うかもしれません。

まずはこの写真のデータを見て下さい。

カメラ:NIKON D500
撮影時刻:18:45
レンズ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6 ED VR
SS:1/100秒 絞り:f/8 ISO:2000
焦点距離:370mm 換算555mm  一脚 RAW
テレコンバーター:TC-14E Ⅲ
露出補正-0.7

撮影時刻は夕方の「18時45分」でした。

1年前の僕なら、野生動物の綺麗な写真は「ほぼ諦めていた」そんな時間帯です。

辺りは薄暗く、ISO感度を上げてシャッタースピードを稼いでいました。

画像が小さいのでわからないかもしれませんが、上はノートリミングの一枚です。

これをトリミングしてみると・・・

 

ピントがバッチリ目に入っています。

キツネの瞳に映る景色や、その周りの毛の流れまで、しっかりと撮ることができました。

(ブログの記事上では、あまり高解像度の写真は載せておりません)

さて、以前であればこういった写真は撮れなかったのですが、この写真を撮れた理由や、その時の葛藤などをこれからお話しします。

 

高感度とブレの葛藤の中で

カメラ:NIKON D500
撮影時刻:19:21
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 ED VR
SS:1/20秒 絞り:f/2.8 ISO:10000
焦点距離:200mm 換算300mm  手持ち RAW
露出補正-0.7

 

ISO感度を上げすぎると、せっかく撮れた写真もザラザラした質感になり、特に野生動物だとその毛並や表情が失われてしまいます。

(上の写真はRAW現像により、かなり補正しております)

(このキタキツネの写真は、ISO-10000という高感度で、シャッタースピードは1/20秒という低速です)

感度を上げすぎると、せっかく撮影したのに、拡大してみたら残念なことが多いです。

かと言って、シャッタースピードが遅いと、

「手ブレ」

「被写体ブレ」

の原因になり、特に超望遠レンズを使った野生動物の撮影では、連写で沢山の枚数を撮っても、

全てブレていて使えない

と言ったことが少なくありません。

特に超望遠レンズの狭い画角では、やはり手ブレの影響は大きいですし、野生動物に対して、

「はい、撮影するので少しだけ止まってね」

と祈っても、止まってくれることはありません。

(稀に止まってくれることもありますが笑)

・ISO感度の上限(どこまが自分の許容範囲か?)

・シャッタースピードの下限(どれだけ遅くてもブレずに撮れるか?)

夕暮れ時になると、僕はいつもこの2つの数値と向き合っています。

具体的には、

「もっとISO感度を上げたいけれど、ガマンだ、我慢!」

「カメラをしっかり構えれば、きっとブレないはずだ、いや、ブレないでくれ!」

と言った感じです。
(最後はお願いになってますね)

最初の「キツネの写真」の話に戻りますが、この時は200-500mmという超望遠ズームにさらに1.4倍のテレコンを装着して、最大の望遠時には、35mm換算で「1,050mm相当」という画角を実現できるシステムでした。

テレコンを装着していたので、合成F値は「F8」となり、オートフォーカスもギリギリ合うといった世界です。

そのセットで、

何か動物がいたら撮りたい

と、夕暮れ時の湿原を散策していると、向こうからキタキツネがこちらの方にやってきたのです。

こんな風に、です。

 

一枚目の写真は、このキタキツネがもっとこっちに寄ってきて、一瞬止まったその時に撮った写真です。

 

D500のISO感度→自分の許容限度は?

先程から「ISO感度」という言葉が何度も出てきますが、これは「電気的に光を増幅する強度」のことです。

ISOの数値が高ければ高いほどカメラ内で光を増幅し、低ければ自然に近い状態になります。

ただしこのISO感度を高くする(高感度)というのは諸刃の剣でして、電気的に増幅するので「ノイズ」が多くなってしまいます。

 

カメラ:NIKON D500
レンズ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6 ED VR
SS:1/1000秒 絞り:f/5.6 ISO:10000
(撮れてはいるけど、これ以上拡大はキツい質感)

 

高感度にする=明るくなるのでシャッタースピードを速くできる=ノイズが増える

このような図式が成立します。

そしてこのISO感度の数値ですが、普段オートで撮影しているとカメラがそれを自動的に決めてしまいますが、僕はほぼ手動で決めています。

なぜなら、そのシチュエーションに応じて、自分が許せるISO感度の上限があるからです。

"許せる"というのは撮った写真に対して、

これなら作品として使える」といった自分の中の基準値になります。

妥協点とも言えますね。

これは人によっても変わると思います。

「私はISO-1600が限度だ」

「僕は6400まで使うよ」

と言った具合にです。

ISO感度は低いほど、写真の精細さや解像感が良いですからね。

僕の場合ですが、ニコンD500だとISO「2000」まで許せるということが最近わかってきました。
(最初のキタキツネの写真がそうです)

ちなみにD750ならもっと上まで大丈夫です。(ISOが6400とか)

参考記事

ニコン「D500」対「D750」~高感度撮影で比べてみた
こんばんは。 今回はAPS-C最新モデルのニコン「D500」と、現行のフルサイズで一番新しい「D750」を同じ条件で撮り比べてきま...

 

もちろんレンズの性能にもよりますが、D500はISO感度を高くしての「高感度特性」はあまり強くないと一年間使いこんで感じています。

特にアンダー部(ダーク部分)の質感が失われる気がします。

さて、こちらに向かってくるキタキツネは、ゆっくりではありますが常に動いています。

 

迫ってくるキタキツネ。
ややブレてます。

 

鳥のように横切るものに対しては、シャッタースピードが遅くても工夫すれば、

「絵になる写真」

が撮れたりもします。

2016年11月19日
カメラ:NIKON D500
レンズ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6 ED VR
SS:1/15秒 絞り:f/5.6 ISO:1600
焦点距離:500mm 換算750mm 三脚 RAW
露出補正-0.3

 

参考写真:1/15秒というスローシャッターで、ブレを活かした「流し撮り」という方法ですね。

ただ、こちらに向かってくるキタキツネにピントを合わせ続けて、しかもブレない写真を撮るというのはSSが遅いとかなり難しいです。

今回はレンズにテレコンバーターを装着していたので、オートフォーカスの速度も落ちていました。

「シャッタースピードが稼げない」

夕暮れ時には常にそんな葛藤があります。

 

野生動物の動きに追従するAFとレリーズモード

初夏の大空を泳ぐアマツバメ (照準器を使用しています)

 

 

僕は約3年間、野生動物を撮影してきて、少しずつコツを掴んできました。

もちろん機材の性能のお陰というのが大きいです。

中でも、D500のAF(オートフォーカス)の性能には本当に助けられています。

キツネや鹿、そして空を背景にした野鳥であれば、まずピントが背景に抜けたりはしないですね。

木の枝などの横切りにも強いです。

そして僕自身も彼らの動きがある程度、予測できるようになってきました。

今回は案の定、キタキツネは僕に気付くと一旦立ち止まりました。

止まった時がチャンスです。

ただここで僕が大人になったのは(すでに中年ですが笑)、

必要以上に高速連写はしない

ようになったということです。

ニコンD500は、秒間10コマという高速連写が持ち味です。

野鳥などの、素早い動きを捉えるのに対して最高の性能を備えています(上には上がありますが)

それまでは野生動物を見ると、手当たり次第に高速連写で撮影していましたが、立ち止まるキタキツネを秒間10コマで連写する必要はないと、最近思うようになりました。

もう少し言うと、野生動物と正対した時に意味のない高速連写は「乱暴だ」と感じるようになったのです。

乱暴とは出来上がる作品に対してや、目の前の動物に対してそう思うということです。

具体的には、

  • 連写音がうるさい(相手に対して)
  • 連写することで撮った気になり、ブレやピンボケに気付けない(ミラーが動くことによる像の消失も)
  • シャッターブレもあると感じる

というような内容です。

そこで僕が選択するレリーズモードは、「静音連写モード」(QC)です。

これはシャッター音が通常よりもマイルドになり、シャッターブレもやや抑えられているような感覚になります。

撮影コマ数は秒間3コマと少ないですが、これで十分だと思うようになりました。

丁寧に優しく撮る

これを大切にするようになりました。

撮影枚数が減ったので、写真の選別も当然楽になりました。

 

撮影に対しての取り組み方・考え方

一瞬、立ち止まるエゾリス

 

D500の再評価の話からはちょっと逸れますが、撮影に対しての取り組み方や考え方も、少しずつ変わってきました。

思えば写真を始めた1年目は、ただ撮ることが楽しくて、手当たり次第に何でも撮っていた気がします。

(建物・地面・影とか水面とか煙とか、とにかく何でも)

ハッキリ言って無知だったし、出来上がる作品も雑でしたね。

次に、少しずつ写真について理解してきた2年目は、「どこで何を撮るか」ということにこだわりました。

休日には北海道を車で随分走りましたよ。

一回の撮影で平均400kmくらい走っていたと思います。

そして3年目は、土地勘や撮影ポイント、自分の趣向が決まってきて、

どの時間帯に、どんな光で、どう撮るか?

ということに重点を置くようになりました。

行き当たりばったりの撮影は減りましたね。

変わるものですね、意識は。

 

一脚とレンズサポーターの活躍

 

さてさてまた話しを戻しますが、最初のキタキツネの横顔、ISO感度は2000という自分の中の上限でした。

そしてシャッタースピードは、超望遠レンズの画角では非常に厳しい「1/100」という数値でした。

薄暗かったので、絞りオートモードではカメラが自動で適正露出にしようとしますので(写真が実際よりも明るくなってしまう)、露出補正は-0.7と下げていました。

そしてここで大活躍してくれたのが、

・レンズサポーター

・一脚

になります。

脚に迷彩テープを巻いています

 

これらのギアの詳細については別記事で紹介したいと思いますが、これを使っていなかった時は同じ条件でここまで綺麗には撮れませんでした。

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キタキツネの横顔

カメラ:NIKON D500
撮影時刻:18:45
レンズ:AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6 ED VR
SS:1/100秒 絞り:f/8 ISO:2000
焦点距離:370mm 換算555mm  一脚 RAW
テレコンバーター:TC-14E Ⅲ
露出補正-0.7

 

それまでは、

「撮れたけどブレてる」

「撮れたけどノイズが多い」

そんな作品がとても多かったです。

今回のキタキツネの写真を見て、僕は素直に、

「このアイテムのお陰だな」

と感じました。

この2つのギアを導入してからは、今まで無理だった撮影が可能になりました。

(作品の良し悪しはまた別ですけどね)

 

 

湿原の光の状態を見ながら、それに合わせて移動しつつ野生動物を撮影する僕のスタイルでは、これらのアイテムは最高の味方となりました。

「腕だけじゃない、道具も大事なんだ」と感じています。

 

まとめ

 

さて、久しぶりのブログ更新になりましたがいかがだったでしょうか?

早朝や夕暮れの、フォトジェニックな光の中で野生動物を撮影する時の機材選択やテクニック、そして考え方などを書いてみました。

ニコンD500を一年間使ってみての再評価は、

「やっぱり最高のAPS-Cカメラだ」

と言うことになります。

 

そして1年前の僕から今の自分を客観的に見てみると、

「少しは成長したかな」

と写真を見てそう感じることもできましたし。

 

自分が撮る写真は、野生動物が7割、風景写真が3割くらいになります。

理想は「美しい風景の中で逞しく生きる彼らの表情を捉えたい」といつも思っております。

そしてこれからも大自然の中で「彼らを見つめていきたい」と願っています。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

皆様の撮影やライフスタイルも、素晴らしいものになりますように!

 

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