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川の流れを素敵に撮りたい~NDフィルター

      2016/04/12

今回は川の流れ(動くもの)をスローシャッターで表現する方法を紹介したいと思います。
(2016年4月6日 加筆)

良く写真雑誌などでも目にする美しい滝の流れや清流の情景。
その写真は一体どのようにして撮影しているのでしょうか?

1.スローシャッターで撮るということ

2015年10月18日 13時43分 NIKON D810 SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical SS 10秒 f/13 35mm ISO-100 三脚 WBオート RAW ND400フィルター

2015年10月18日 13時43分
NIKON D810 SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical
SS 10秒 f/13 35mm ISO-100 三脚 WBオート RAW
ND400フィルター

僕も最初は方法がわからなくて、試行錯誤しながら独学でコツを掴みました。と言っても技術的にはとても簡単で、あるアイテムがあれば誰にでも撮ることができます。
(シャッタースピードやISO感度を変更できるデジカメと三脚が必要です)

スローシャッターとは、文字通り遅いシャッタースピードで撮影することを指しますが、一般的には手持ちだと手ブレしてしまうシャッタースピードのことを指します。

また、シャッターを数分から数時間、開きっぱなしにして撮影することもありますが、そちらは長時間露出と呼んだりします。

ここでは、数秒間シャッターを開放する撮影方法を取り上げていますので、まとめてスローシャッターと呼ぶ事にします。

2.カメラの露出とは?

例えば水の流れが速い川だと、シャッタースピードが1秒でもかなり水の表情が変化します。

1秒というと、通常手持ちではブレてしまうので、三脚を使用するのが前提です。

とは言っても、昼間の明るい時間帯に1秒のシャッタースピードを得るのは難しいです。
無理やり設定したとしても、真っ白な写真になってしまいます。

そこで大事なのが適正露出という基準になります。

まず適正露出で「1秒」のSSを得るためには、他の要素も調整する必要があります。

他の要素とは「絞り」と「ISO感度」です。
このことについては普段オートモードで撮影していると馴染みが薄い方もいるかもしれませんが、スローシャッターで撮影する時は知るべき要素なので、頑張って覚えて下さい。

2-1.露出の三要素

写真の明るさ=露出 ←これを決定するのは主に3つの要素で決まります。

1.シャッタースピード(SS)
2.絞り
3.ISO感度(センサーに入った光の電気的信号を増幅)

基本的にこの3つです。

普段の撮影なら「カメラの撮影モード」を絞り優先オートにして、絞り開放のボケた雰囲気を演出したり、絞り込んで遠景までピントを合わせたりします。
(被写界深度で表現するということ)

またはシャッタースピード優先オートで速いSSにしてスポーツや動物を撮影したりすると思います。
(動きを表現するということ)

「絞り」や「シャッタースピード」は機械的な機構・動作なのに対して、ISO感度とはセンサーに入った光の信号を電気的に増幅する感度の事を言います。

例えば夜の街で手ブレしないようにSSを1/100秒くらいで撮影したい時、よっぽど明るい街灯などがなければ1/100秒のSSは確保できません。
そんな時、ISO感度を6400とか10000まで上げて(高感度)手持ちでもブレないSSにすることができます。

SS優先オートで撮影している場合は、ISO感度もオートにしておけば、SSを設定するだけで、カメラが自動的に適正露出になるように絞りとISO感度が変化してくれます。

2-2.適正露出とは?

このカメラが自動で設定する「適正露出」というのは、あくまでもカメラが判断するものなので、撮影した写真が必ずしも自分の思うような露出ではないことがあります。
(逆光で太陽以外が真っ黒になってしまったり、暗いところに測光が合ってしまい空が白トビして妙に明るい写真になってしまったりと)

したがって、任意のSSで自分が描く理想の明るさ(露出)の写真を撮るためには、その自動モードを使わずに手動で設定することになります。
(自動モードでも露出補正を使えば黒ツブレや白トビを抑えることが可能です)

星空の撮影でも同じような考え方が当てはまります。

関連記事→星の降る夜に~満天の星空を撮影
(星空の撮影方法についての記事です)

要するにスローシャッターによる撮影時は「マニュアルモードで撮りましょう」ということです。

そこでまずは便利アイテム(NDフィルター)を使わないで撮る方法を紹介します。

そのポイントはズバリ「暗い時間帯」での撮影です。

3.暗い時間帯に撮ってみる

暗いと言っても真っ暗だと川の流れはあまり写らないので、少しだけ明るくなった時間帯がベストです。
(真っ暗だとカメラの操作も難しいので、薄暗い時間帯が良い練習になります)

2015年7月19日 3時45分 NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR SS 10秒 f/6.3 24mm ISO-100 三脚 PLフィルター RAW

2015年7月19日 3時45分
NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
SS 10秒 f/6.3 24mm ISO-100 三脚 PLフィルター RAW

早朝の薄暗い時間帯に橋の上から撮影しました。
NDフィルターを使っていないにも関わらずSSは10秒と、かなり暗いことがわかります。

絞りもそれほど絞っていません。
(今思えばもう少し絞っても良かったかなと)

PLフィルターは使用していますが、それはなくても問題ない場面だったと思います。
(PLフィルターとは水面の反射や濡れた岩のテカりなどをコントロールできます)

ここで注目したいのは、SSや絞りよりも「ISO感度」の方です。

3-1. ISO感度の代償

星空を撮影する時はISO感度を1600~3200など高くして高感度で光を増幅しますが、その代償は「ノイズ」となります。

スローシャッターで川の流れ等の情景を撮る場合は、そのノイズを抑えるためにISO感度をマニュアルにして100前後にしておきます。

ISO感度が低いわけですから、自分の目指す適正露出を得るためには当然SSが遅くなります。
(この上の写真の場合、もしSSが1秒なら写真が真っ暗になり、あまり写らないということになります)

ここで絞りをF16まで絞るとさらに暗くなりますから、適正露出を得るには当然SSも遅くなります。

マニュアルでISO感度を固定しているので、絞りとSSだけで露出を決めることができます。
(普段はISO感度についてはオートで撮影することが多いです)

ここで何枚か撮ってみて画像をモニターで確認しながらさらにSSや絞りを変えて行きます。

4.失敗しながら探っていく

2015年7月19日 4時13分 NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR SS 5秒 f/5 65mm ISO-100 三脚 PLフィルター RAW

2015年7月19日 4時13分
NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
SS 5秒  f/5 65mm ISO-100 三脚 PLフィルター RAW

これはほぼ同じ場面ですが、時間が経過して少し明るくなってきています。

SSに注目すると先ほどは10秒だったのに対し、この場面では5秒となっています。

絞りは中途半端にF5にしています。
(今思えばもう少し絞り込んでも良かった場面です)

何度か撮影しているうちに、SSや絞りの適正値のコツが掴めてきます。

「うわっ、明るすぎる~汗」とか、

「暗すぎて何も見えないやん!笑」

と自分にツッコみながら適正露出を探るのです♪

とにかく失敗を恐れずどんどん撮ってみることです。

それがデジタルカメラの利点ですからね。

この場面でもNDフィルターは使用していませんが、辺りが暗いのでスローシャッターで撮影することができました。

さて、これを踏まえて今度は昼間の明るい時間帯にスローシャッターで撮影してみます。

5.明るい時間帯でスローシャッターに挑戦

 

2015年10月18日 14時27分 NIKON D810 SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical SS 8秒 f/16 35mm ISO-250 三脚 WBオート RAW ND400フィルター

2015年10月18日 14時27分
NIKON D810 SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical
SS 8秒 f/16 35mm ISO-250 三脚 WBオート RAW
ND400フィルター

ND400を使用して尚且つ絞りはF16で、SS8秒を確保しています。

先ほどの早朝の薄暗い時間帯の写真とは違い、周辺の景色が明るく写っています。

この様に「明るい」時間帯にスローシャッターで撮りたいなら、レンズに入る光を「暗く」するためのフィルターが必要になるということです。

NDフィルターとは「減光フィルター」のことで、フィルターを通過する光を少なくできます。

5-1. NDフィルターの効果

ND16ならセンサーに到達する光を1/16に、ND400なら1/400に減らす効果があります。

基本的には発色に影響を与えないフィルターですが、撮影した写真を見るとホワイトバランスにより濃い緑や青み掛かった雰囲気になることもあります。

僕の場合はND16と400の2枚を使用しています。

単独で使う場合もあるし、もっと長い時間露出したい時は重ねて使うこともあります。

2015年7月26日 15時55分 NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR SS 92秒 f/10 24mm ISO-160 三脚 ND16+400 RAW

2015年7月26日 15時55分
NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
SS 92秒 f/10 24mm ISO-160 三脚 ND16+400 RAW

こちらの写真は夏の夕方、雨が降る湖(阿寒湖)を92秒という長時間露出で滑らかに表現してみました。

この時はSSを「バルブモード」にして、適当な時間までシャッターを開放しています。
(バルブモードとは、花火を撮影したりなど、自由にシャッターの開放時間を決められるモードです)

実際は雨粒や波紋、観光船が作る波が見えていましたが、それらは平均化して見えなくなるのがこの撮影技法の面白いところでもあります。

その代わり風が強いと葉や樹木などが揺れてブレて写ります。
(この時は風が弱かったし、林の中だったのであまりブレませんでした)

5-2.ブレるものとブレないものの対比が面白い

要するにスローシャッターで動くものを撮るということは、意図的に「ブレる」表現を取り入れることになります。

「ブレる」川の流れや雲と、「ブレない」樹木や岩などの静物との対比が面白い作品を産み出してくれます。

 

カメラ:NIKON D750 レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 絞り:f/10 SS:30秒  ISO:80 焦点距離:58mm 三脚 ND400 RAW

カメラ:NIKON D750
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
絞り:f/10 SS:30秒  ISO:80
焦点距離:58mm 三脚 ND400 RAW

 

もう一つ、SSの設定時間のポイントですが、「30秒」というのがひとつの目安になるかと思います。

何故かと言いますと、カメラのSSの設定で一番遅いのが「30秒」だからです。

カメラ本体のタイマーで簡単に設定できるので、腕時計やタイマー付きリモコンを使う必要がなく、ひとつの基準として設定できます。
(カメラ本体で任意のSSを設定できるものもあります)

もちろん「自分は1分間の露出が基本」と思うなら、それはそれで自由ですけどね。

カメラの設定をバルブモードにして、時計を見ながら好きな時間だけ露出して、出来上がる作品を待つ楽しみもありますね。

またNDフィルターを使う際に重要なのが「ピント合わせ」になります。

5-3.NDフィルター使用時のピント合わせ

先ほどのNDフィルターを使わない場面でもそうですが、ファインダーやライブビューから見て「暗い」状況でピントを合わせることになります。
(ND400を付けると暗くてAFも効かなくなります)

昼間でしたら、まずは構図を決めて、ピントを合わせる。
それからNDフィルターを装着してカメラの設定を調節する、という流れになります。

この時、せっかく構図やピントを合わせたのに、NDフィルターを取り付ける際にピントが動かないように、粘着力の弱いテープでピントリングを固定する方法も良く紹介されています。
(僕はテープは使いませんが)

辺りが暗い場面でしたら、ピントを合わせたい部分にLEDライトを照射してAFで合わせることも可能です。

もちろん星空撮影の時と同じく、シャッターを切るにはリモコンレリーズ等のアイテムを使います。
(なければセルフタイマーを利用しても撮影できます)

2015年9月13日 6時58分 NIKON D810 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II SS 2秒 f/7.1 200mm ISO-100 三脚 ND16 RAW

2015年9月13日 6時58分
NIKON D810
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
SS 2秒 f/7.1 200mm ISO-100 三脚 ND16 RAW

風が吹いていない場合は、このように「流れる滝」と「枝」を切り取ることも面白いです。
(ND16を使用しています)

滝の流れが速いので、短いSSでも流れを表現することができます。

さて、実際のNDフィルターを見てみましょう。

6.実際のNDフィルター

DSC_1449

左からPLフィルター、ND16、ND400となります。

DSC_1452

例えとして載せていますが、PLフィルターはこのくらいの色です。

DSC_1450

そしてND16でこれぐらいの濃さになります。

DSC_1451

ND400だとほぼ透けて見えませんね。

これを重ね掛けすることにより、太陽の軌跡を撮影する方もいるようです。
(ND1000+ND400の組み合わせなど)

DSC_1453

こちらは角型のハーフNDフィルターです。
左がND2、右側がND16です。

6-1.ハーフNDフィルターとは

ハーフNDフィルターは例えば地平線を中央にする構図の場合に、眩しい朝日の光を弱めるのに使ったりします。

これにより、空の諧調を損なわず(白トビさせない)手前の風景も明るく撮ることができます。

2015年9月6日 5時08分 NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR SS 1/1250秒 f/7.1 120mm ISO-100 手持ち ハーフND8 RAW

2015年9月6日 5時08分
NIKON D750 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
SS 1/1250秒 f/7.1 120mm ISO-100 手持ち ハーフND8 RAW

この写真はハーフNDフィルターを使用しています。

通常なら空の明るさに露出を合わせて、手前の草原は暗くなってしまいますが、NDフィルターで光量を落とすことにより肉眼で見た景色に迫っています。

角型のハーフNDフィルターの使用方法ですが、手で持ってレンズの前にかざすという方法と、専用のアタッチメントでレンズに装着することもできます。

DSC_1454

これは良く使う77mmのフィルター径のレンズに装着するアダプターにハーフNDフィルターを取り付けています。

DSC_1455

レンズに取り付けるとこの様になります。

このアタッチメントにはフィルターが3枚まで取り付けることが可能です。

レンズとのアダプターも様々な種類があり、82mm~50mmくらいまで対応します。

7.まとめ

日中の明るさの中でも、シャッタースピードを調節することにより、表現の幅を無限に広げることができるアイテム、それが「NDフィルター」です。

また、撮影時の基本セッテイングは、

  • ISO感度を固定する
  • マニュアルモードで撮る
  • 三脚を使用する

大体このように覚えておくと良いと思います。
(露出の三大要素の各設定は、他にも様々なパターンが考えられますので、今回紹介した方法はあくまでも一例となります)

明るい日中にスローシャッターで、動いているものを意図的にブラして撮ったり、太陽を入れた構図でも輝度差を抑えた作品を撮ったりすることもできます。

写真は自分の想像を超えるのか?

スローシャッターを用いて撮る世界は、僕にいつもそんな期待を抱かせてくれます。

もちろん、いつも期待を超えるような写真を撮れるわけではありません。

でも肉眼では見えない不思議で魅力的な世界をスローシャッターは見せてくれます。

一枚の写真に時を集めてみる

あなたも是非、チャレンジしてみてください♪

→関連記事:人や車が消える?~スローシャッターを使いこなしたい

→関連記事:スローシャッターで撮る春の川と撮影マナー(4月11日追加)

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