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【上達講座】自分の適正露出とは?/露出補正を使いこなそう

輝度差のある夕暮れの空。 どこに露出を合わせますか?

 

ようこそ!

この記事は「上達講座」の受講生の方に向けた特別レポートです。

今回は、カメラの「オートモード」で使える、とても便利な機能、

露出補正」についてお伝えします。

 

露出補正という言葉自体はかなり地味ですが、その効果は絶大です。

そしてここまで、オートモードと露出について学んできたあなたは、間違いなく露出補正を使いこなすことができます。

使い方はとても簡単だからです♪

ただしこのテクニックを使う前提としては、カメラが決める「適正露出」に満足するのではなく、あくまでも自分の「適正露出」を追求する姿勢が求められます。

つまり、オートモードで得られた適正露出に対し

  • もう少し明るくしたい
  • もう少し暗くしたい

と感じた場合に「露出補正」を使うということになります。

 

前回の講座では「オートモード」の活用方法について触れました。

自分がどんな目的を持ち、なぜそのモードで撮影するのか?を意識することで、作品の仕上がりに差が生まれます。

そして「露出」という、カメラマンにとって大切な感覚を磨いていくのですが、その中で応用編として今回の「露出補正」を学びます。

つまり「オートモード」と「露出補正」はセットで使うということです。

マニュアルモードで露出を決める場合は、すべて自分で好きなように設定できますからね。

もちろん、マニュアルモードで露出を決めるときも、カメラが判断する「適正露出」を基準に使ったりします。

まずはオートモードを使いこなすことで、より撮影をシンプルにし、作品を生み出すチャンスを増やしていきます。

 

逆光のジレンマに立ち向かう

夕暮れの釧路湿原(細岡展望台より)露出補正0

 

例えば、鮮やかな夕焼けを撮る時「まぶしい光」を露出の基準にすると、建物や風景は当然シルエットのように暗く写ります。

構図内での「輝度差」が大きいので、露出を明るくすると空は白飛びするし、逆に暗くしすぎると草原の質感が失われます。

上の写真の場合、夕焼けの光の色はしっかりと撮れているので、他の部分が暗く写ってしまうのは「仕方がない」と考えることもできます。

これは主に「逆光」で撮影する際に感じる「露出のジレンマ」です。

 

一方を優先すると、もう一方が損なわれる
逆光の場合はこのようなジレンマを感じることがあります。

 

あなたもこんな経験はありませんでしたか?

記念写真などで青空や夕焼けを背景に「人物」を撮ると、人の顔が暗く写ってしまう現象です。

逆光時の露出について(ニコンイメージング)
http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/04/07.html

上のリンク先をサラッと見てもらうとわかりますが、
室内で逆光の写真を撮ると、どこに露出の基準を合わせるのかで、写真の仕上がりが全く変わってきます。

どちらが正しいというワケではありませんが、僕たちは写真を通して自分のイメージを表現します。

そのために使える知識を身に着けておくことで、露出のジレンマに立ち向かうことができるのです。

ここを自分で解消できるようになると、失敗写真は減るので、そのぶん写真の楽しさも増すと思います。

今のアナタなら、人物の表情を明るく撮ることは「難しくない」はずです。

 

さて、先程の「釧路湿原の夕暮れ」の写真ですが、暗い雲間から顔を出した眩しすぎる夕日は、撮影者にこう問いかけてきます。

キミは何を撮りたいの?」と。

ここで時間の経過と共に僕が撮影した写真をご覧ください。

「露出」という視点を持って、あなたなりに、

  • 明るすぎる
  • 暗すぎる
  • 丁度よいかも

と考えてみて下さい。

僕は何を撮りたかったのでしょうか。

 

フレアとは

厚い雲からやっと顔を出し始めた夕日。露出補正-0.7

 

太陽の角度がだいぶ低くなり、逆光特有の「フレア」という現象が起きています。

これはレンズに強い光が入ることで、画像のシャープさが失われるような「モヤがかかった」状態のことです。

あえてソフトな印象を与えるために、意図的にフレアを入れることもあります。

ちなみにこれらの写真は「RAW現像」をしています。

ハイライトを下げてアンダーを持ち上げ、彩度やコントラストも微調整しています。

この写真を現像する前のデータは次のような感じになります。

RAWデータもお見せします

 

トリミングもしているので、構図自体が少し違うように見えるかもしれません。

肉眼で見ると実際は眩しくて、特にハイライトの部分はこのような色には見えません。

サングラスをすればある程度は肉眼でも観察できますが、やはりカメラのモニター越しに太陽を見るのが目に一番優しいです。

その時モニターで見る画像は、カメラ内で現像された状態なので、この「RAWデータ」のようには見えません。

先程の「現像された写真」のようにモニター上には映っているのです。

もう一度貼りますが、こちらですね。

モニターで見る撮影した画像は「カメラ内で現像された画像だ」ということを覚えておいて下さい。

そしてパソコンにRAWデータを取り込んで見ると、先程のような淡白でコントラストと彩度の低い画像となります。

RAW現像については今後説明しますので、今はなんとなく、ざっくりと捉えて下さい。

ゴーストも発生

露出補正-0.7

 

続いて、太陽の高度がさらに低くなり、眩しさも増してきました。

フレアだけでなく今度は「ゴースト」も発生しています。

ゴーストとは、画像内に現れる光の乱反射のような部分のことです。

ゴーストは構図内で、太陽と「対角線上」に発生します。

ゴーストもフレアのように効果的に使うこともできますし、低減させたり、工夫して発生させないことも可能です。

 

露出補正-0.7

 

そして眩しかった太陽は沈み、やや暗くなった湿原に露出を合わせました。

ここで空に露出を合わせても良いのですが、もう少し色が変わるのを待ってみました。

 

露出補正-1.3

 

太陽はますます低くなり、濃い「赤」が雲の切れ間に現れました。

もっと焼けるときは、空全体が驚くほどに真っ赤になるのですが、この時はこれで終わりでした。

この時、湿原の表情はすでに肉眼では見えないくらいに暗くなっています。

ここまで、すべて「絞り優先オート」モードで撮影し、同時に露出補正も使いました。

 

そしてこの写真は「露出補正-1.3」というように、暗めに設定しています。

なぜでしょうか?

 

露出補正のポイント

先程の写真は、肉眼でも暗くなってきたというのに、オートモードの適正露出よりもさらに「暗く」露出補正しています。

これはなぜかと言うと、カメラは「暗い部分を明るく撮ろうとする性質があるから」なんです。

構図内に「暗い部分」が多いと、カメラは必然的に露出を「明るく」しようとします。

ここでいう「明るい」とは、肉眼で景色を見るよりも、カメラのモニターで見るほうが明るいという意味です。

なので、そのままカメラ任せだと、実際よりも明るく撮れてしまいます。

そこで「露出補正」をマイナスにすることで、明るくなりすぎないようにして肉眼で見た景色に迫っているのです。

つまりカメラが判断する「適正露出」と、肉眼で見る「明るさの差」を補正するのが「露出補正」になります。

ここまで何度か露出については触れてきたので、これは理解できると思います。

 

露出補正の設定方法

ニコンイメージングジャパン

 

それでは、ニコンのカタログ(D750)から一部をお借りして、露出補正の設定方法を見てみましょう。

上の図を見ると、画像の下に「-1段」とか「+1段」補正と書いてあります。

さて「」とは一体なんのことでしょうか?

答えは「明るさの単位」のことです。

写真で言う明るさとは「露出」のことですね。

その明るさをカメラ用語で表す時「一段、二段」などと呼びます。

 

例えばマニュアルで露出を設定する時、

「シャッタースピードを一段下げる」とか、

「絞りを二段絞る」というように使います。

この2つの動きは、どちらも露出に関係しますから、つまり「段とは明るさ」のことなのです。

「露出」とか「段」とか、紛らわしいですよね。

なぜこの「段」という呼び方があるのかと言うと、実はカメラ用語としてもう一つ「EV」という基準があります。

0EV、1EVとか2EVと呼ぶのですが、このEV=段なんです。

ちなみに「1EV=2倍の光」を表します。

が、今回はそこまで詳しく知る必要はありません。

露出補正のダイヤルを回し、0.3、0.7や1.0など、プラスかマイナスに数値を振ってみるとわかります。

 

ニコンイメージングジャパン

 

普段は「0EV」にしておくことで、基準はしっかりキープしておきます。

常に+1.3EVなどにしておくと、カメラの基準がわからなくなりますからね。

この露出補正は、カメラの電源を切っても設定がそのまま残るので、撮影後には自分で「0」に戻しておきます。

 

露出インジゲーターを見る

ニコンイメージングジャパン

 

カメラモニターで露出補正のかかり具合や、基準となる「0EV」を確認するのには、
「露出インジケーター」が役立ちます。

僕は常にこれを確認するようにしています。

ニコンD750では、モニターの右側⑤の位置に露出インジケーターが現れます。

インフォ画面の設定によっては見えなくすることもできます。

当然、真ん中が「0EV」ということです。

露出インジケーターはかなり重要なので、ファインダー内でも、他のインフォ画面でも、カメラの右肩の液晶画面にも表示されます。

それぞれをニコンD750の場合で見てみます。

モニターのインフォ画面の場合(露出インジケーター)

 

モニターをこのようにインフォモードにすることは少ないですが、すべての設定や数値を確認すると、必ず露出インジケーターも表示されています。

 

カメラの右肩の液晶画面(露出インジケーター)

 

カメラの右肩にある「サブ液晶画面」にも表示されています。

 

ファインダー内の表示(露出インジケーター)

 

ファインダー内にも表示されているので、野鳥などを撮影しているときでも露出補正を確認できます。

また、マニュアルモードで撮影しているときでも、露出インジケーターを見ることで、カメラの「適正露出」を目安にすることができます。

 

ニコンイメージングジャパン

 

なぜマニュアルモードなのに適正露出を目安にするかというと、人間には「慣れ」があるので、暗いところにいると目が慣れるように、人間の基準はあいまいなので、それをカメラの数値で判断するのです。

「自分は+2EVが丁度良く感じるな」というように「0EV」を基準にして現在地を確かめます。

この使い方に慣れてくると今度は、

  • 星空の撮影の時は「+4EV」が標準だ
  • 雪原を撮る時は「+1EV」にしよう
  • 夕暮れに太陽が沈んだら「-1EV」

というように、自分の基準ができてきます。

 

露出補正+0.7

 

雪の上に佇むキタキツネの写真ですが、背景の空も曇っていて、全体的に明るい印象となっています。

ですが、これをカメラ任せの適正露出で撮ると、測光を「マルチパターン」にしている場合は、かなり暗い写真になってしまうのです。

それはカメラが自動的に全体のバランスを取ろうとするので、白飛びを嫌って「雪をグレー」に撮ろうとするからです。

そうすると、必然的にキタキツネの色も暗くなります。

それを防ぐために露出補正を「+0.7」にし、あとから現像でも露出を調整しています。

キタキツネをメインに考えてもっと明るく撮ると、今度は雪や空が白飛びしても困りますからね。

そのあたりの「調整」が露出補正を使うと簡単にできます。

もちろん撮った写真をその場で確認するのが大事です。

この時に、別な選択肢として「スポット測光」や「AEロック」を使って、キタキツネを中心に露出を合わせることもできます。

ただ、僕は周囲の質感も残したかったので「マルチパターン測光+露出補正」という一番安全な組み合わせを選択しました。

風景が絡む場合は、大体いつもこの組み合わせで撮影しています。

そして野生動物だけを撮る時は、その場のシチュエーションに合わせて、色々な設定を試しています。

 

まとめ

霧氷が咲いた樹木(露出補正+0.3)

 

ここまで露出について様々な角度から学んできましたが、そろそろ馴染んできたのではないでしょうか?

通常の撮影はオートモードと「露出補正」を使いこなすことで、簡単に、そして確実に狙った露出の作品を撮ることができます。

さらに一歩踏み込んで「測光モード」や「AEロック」なども使えるようになると、撮影の幅は広がり、同時に露出に対する感覚もさらに磨かれます。

ただ、人間の目は「慣れる」ということを忘れないで下さい。

絶対値はわからないのです。

そう考えると、カメラが導いてくれる「適正露出」は、とても参考になるはずです。

  • 「カメラは正確だ」
  • 「でも自分はもう少し明るく撮りたい」

このように考えながら撮ることで、自分が求める作品に出会うことができるはずです。

 

この上の写真は、夕暮れの空があまりにも赤く、そしてとても眩しく染まった瞬間に、暗くなった渓谷を流れる清流が空の色を反射して赤く見えたので、マニュアルモードで撮りました。

マニュアルモードなので今回の「露出補正」はしていません。

シャッタースピードは「1/5秒」ですから、手持ちだとブレる速度です。

三脚を使い、空の質感はある程度白飛びするのを許容して、渓谷の質感を撮りました。

実際は何度も失敗してなかなかうまく撮れなかったという記憶がありますが、RAW現像で「川の色」を再現できました。

ここまで輝度差があると、肉眼でも「どちらか一方」に明るさの基準が引っ張られます。

眩しい空を見ると当然渓谷は「真っ暗」に見えるし、渓谷を見ていると空は「眩しすぎて見えない」という感じです。

夕刻の劇場には、このような葛藤が多いものです。

こんな時は「ハーフNDフィルター」をうまく使うと、空の質感をより美しく捉えることができます。

あなたも「目的」をしっかりと持って撮影に臨んで下さい。

あなたが表現したい世界を作品にするために。

 

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回の講座をお楽しみに。

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